食料価格は高騰を続ける。それでも食を楽しみたい
国連食糧農業機関が3月4日に発表した2022年2月の世界の食料価格指数は、11年ぶりに過去最高を記録しました。2014〜16年対比で1.4倍程度の上昇になります。
もともと、コロナ渦による人手不足や輸送費の高騰の影響で、食料価格が値上がりを続けていたところに、ロシアが侵攻したウクライナ情勢の緊迫化によって、植物油や小麦、乳製品など幅広く食料価格高に拍車をかけています。
この価格変動は短期的な事象の影響だけでなく長期的な傾向でもあります。
中国の成長によって肉の消費量が増大し、飼料への需要が上昇していたり、脱炭素エネルギー化を目指したバイオ燃料の利用増によって、原料となる大豆や菜種の価格が上がっており、構造的な事象になっています。
私自身、明らかに牛肉の価格が上がっていることを実感しています。調べて見ると、米国からの輸入牛肉は2000年対比でキロ単価207円から700円と3倍以上に価格が跳ね上がっています。特に西日本には牛肉文化がありますが、日常的に牛肉を食べる生活は維持しづらくなっています。
それでは、お金持ち以外は食を楽しめなくなったのかというと、そんなこともないはずです。
輸送費への対応として、地産地消の促進があります。変化は必要ですが、牛肉に依存しなくとも、できる限り地のものを活かすことで、美味しい料理は実現可能です。
日本発の美味しさ、旨味成分の味の素は、もともと昆布から抽出して開発されました。旨味の効いたお味噌汁は、日々の生活を彩ります。
世界的にみて、味の素が売れない、つまり必要としない地域としてイタリアがあります。イタリアで大量に消費されるトマトは、旨味が豊富で現地の食を潤しています。
また、日本における高級レストランの価格も、ここ数年上昇しているように感じています。食べログランキング上位20位のレストランにおける1人あたりの平均価格を計算してみると、約4万円になります。2人で訪問すれば、1回で10万円程度の出費になります。
さらに上位レストランでは人気がありすぎて予約が1年待ちという状況も珍しくありません。高級レストランは高嶺の花になっています。
それでも、ジャンルによっては、高級レストランに引けを取らない味わいでありながら、手の届く価格帯のレストランも残されています。
私が注目しているのはインド料理レストランです。スパイスを活用することで、高級食材に依存せずとも、深い味わいを引き出しています。
両店とも、夜のコースは5000円台で、夜の口コミだけをみると食べログの評価平均は4点を超えています。
あらゆる食料価格が高止まりしてきても、それでも試行錯誤をして、食の楽しみを維持していきたいです。
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