トランプと金融政策の不安な関係

利上げの回数や有無しか報じない記事が目立つ中で、それがもたらす本質的な影響に触れた良記事だと思います。利上げが出来るという事実をどこか好景気と同義であるかのように解釈し、前向きに論じようとする向きが散見されますが、本来利上げのもたらす効果は資本調達コストの上昇であり、究極的には景気減速です。記事中あるように、実際に利上げ幅よりも大きな震度で住宅ローン金利は上がっており、ラグを伴って確実に投資意欲を削いでくるでしょう。

FOMC当日の株価を含め、最近では断続的に株価が金利上昇を嫌気して下落する場面がまま見られています。記事中にあるように、今までトランプがFedの政策に何も言わなかったのは株価が維持されていたからであり、正常化路線がはっきりと株価を押さえるようになれば態度は簡単に変わるでしょう。ドル高相場にしても既にトランプ&ムニューシンの胸中とは齟齬があるように見受けられます。奇しくもFedの睨んだ通り物価が上がってきているので利上げの大義は当面立ちそうですが、これをトランプが許すかどうかは別の次元の問題として今後浮上するのではないかと思います。トランプと金融政策。これまでスポットライトが当たりそうで当たってこなかった両者の関係に不安を抱いてしまいます。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30121510T00C18A5FF1000/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?