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消費増税のマクロ的影響

 前回2014年4月の消費税率3%引き上げは、それだけで8兆円以上の負担増になり、家計にも相当大きな負担がのしかかりました。

今回は消費税率引き上げの影響だけでは負担が4.3兆円増えることになりますが、幼児教育の無償化や社会保障の充実による支援等もあるため、恒久的には2.5兆円程度の負担にとどまります。

内閣府のマクロ計量モデルの乗数をもとに経済成長率への影響を試算すれば、引き上げの一年前は駆け込み需要により+0.2%ポイント経済成長率を押し上げると試算されますが、引き上げ後の1年目については▲0.4%ポイント程度、ポイント還元等が終了する2年目については▲0.3%ポイント程度、経済成長率を押し下げると試算されます。

外部環境が前回よりも良くない可能性があり、消費税率引き上げに対応した対策を実施しても、景気腰折れの引き金を引く可能性があるといえるでしょう。

ESPフォーキャスト調査に基づけば、フォーキャスターのコンセンサス通りにGDPが成長した場合は、2019年10月から消費税率を引き上げることになると再度GDPギャップがマイナスになってしまいます。

2014年4月に消費税率を引き上げた際も、消費税率引き上げ直後に安倍政権発足以前のマイナス水準までGDPギャップが逆戻りしてしまった経緯があります。

将来の更なる消費税率引き上げ幅を抑制するという意味では、社会保障の効率化のほうが望ましい策といえるでしょう。

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