伊藤羊一 Voicyパーソナリティ
そろそろ変わってチャンス掴もうぜ、日本企業。
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そろそろ変わってチャンス掴もうぜ、日本企業。

伊藤羊一 Voicyパーソナリティ

 しばらく前のこの記事を見ながら、ずっと脱力していた。

 日本企業に迫る危機、とタイトルにある。この記事の解説(THINK!)にロッシェル・カップさんが書かれている通り、「日本企業社員のモチベーションが低い」ことについては、もう、数年前からずっと言われていることだ。しかし記事中のグラフを見ると、10年前よりさらに下がっていることがわかる。

 日本企業は、底なし沼に陥っている。もう、浮上のきっかけがないのかもしれない、と暗い気持ちになっていた。

 ただ、このグラフを見ていて気づいた。

 日本企業は、「働きやすさ」については真剣に取り組んできた。1on1、テレワーク環境、休暇制度など。それは結果が出てきている。ただ「働きがい」がそこに連動していない。確かに、働きやすさは大事だが、それだけでは働きがいはアップしないのかと。

 働きがいは、どうすると上がるだろう。
人それぞれではあると思うが、まず「働きやすさ」は労働環境に対するものであろう。一方で「働きがい」は、社員一人ひとり、自分にとってこの会社、この仕事がどうか、ということだろう。どうすると働きがいが上がるかを考えてみると、

1)自身の働きが評価され、処遇に結びつく
2)1に基づき、エキサイティングなチャンスを得られる
3)結果として、自身の成長実感が得られる

ということではないか。

1)2)については、会社側が「やれば」いい。Just do itだ。

 なぜなら、この記事にあるように、日本全体の人口減少が進展してきており、その結果、各業界で人手不足が本格化するからだ。

 「働きがい」を失っている社員が多い、という現状は各企業にとってはチャンスだ。社員を雇い、働きに応じ正当に評価、処遇し、エキサイティングなチャンスを提供していけば社員の働きがいは上がるし、かつその社員がガンガン働いていけば、生産性も向上するわけだ。これをやるだけだ。

 そうして業務を通じて経験を積むなかで、成長を実感するようになる。

 そして決め手として、会社としてその「働きがい向上サイクル」をサポートしていけばよい。成長のための武器を提供するのだ。これが昨今言われている「リスキリング」の意義ではないか。

 「人的資本経営」という当たり前の言葉が今更ながら、流行のようによく出てくるわけだが、そのためには人材投資がかかせない。そのために、社員のマインド、スキルアップの機会を提供するのは当たり前だ。

 自分ごとで恐縮だが、僕がヤフー(Yahoo!アカデミア)、そしてZホールディングス(Zアカデミア)で、そしてグロービス経営大学院の講師としてやってきていることはそういうことだ。もう10年くらい、社会人教育に尽力してきている。

 ちなみに僕はそんな経緯もあり、「リスキリング」という言葉は好きではない。”re”、学び「直し」ではないでしょ、いつでも、いつまでも学び続けることが当然でしょうと。学ぶのは学生の本分、社会人は現場でやるだけだ、というのは完全なる勘違い。新入社員から若手に限らず、マネジメントから経営層に至るまで、全員学び続けないと、変化の激しい社会では生き残れないでしょうに!と強く考えている。

 そんな中、大手100社が連携し、経済産業省と金融庁が支援し、「人への投資」を進めるための協議会を8月に設立するという。

 人への投資について意識が高まるのはいいことだ。これは否定しない。
ただ、ひとつ思う。もし僕が(呼ばれることはないかと思うが)この協議会に呼ばれたら、少なくともリスキリングの部分に関してはこう言うだろう。

 さっさとやろうぜ。Just Do Itだ。

 「共同でリスキリングの機会を開発する」なんてことをやっていたらいつまで経っても進まない。リスキリングまで護送船団か。そうではなく、各社でやっていることを共有しながらガンガンパクリ合えばいいと思うのだ。これから始めるのも、協議会で協議しながら開発するより、まず自分たちでやった方が早い。

 昨年の夏、Zアカデミアで、「Z 文系AI塾」というものを立ち上げた。

 その中の、こんな取り組みを紹介していただいた。

 まずはこれは、Zホールディングス各社の社員向けにやっているわけだが、おいおい、対外的にも提供してくつもりだ。ニーズがあれば、僕にリクエストください。そんな形で、各社で機会を出し合っていけばいい。

 シンガポールでは、「国家をあげてのリスキリングプログラム」が数年前から行われているそうだ。

 素晴らしい。日本もやったらいいと思う。しかし、国に頼らずとも、自分たちでガンガンやって、みんなで共有すればいいだけの話だ。

 今日言いたいことは2つです。
 ひとつは、働きに対して正当に評価し、処遇する。チャンスを提供する。人材不足となる社会においては、働かない人、成長しようとしない人もしっかりとマイナス評価して処遇していけば簡単に実行できるはずだ。

 もうひとつは、「成長のために学ぶ機会」をつくり、提供すること。これも各社で色々チャレンジし、パクリあえばいい。Zアカデミアについても、聞かれれば全てのノウハウを提供してきたし、これからも喜んで提供する。僕に連絡してほしい。

 簡単なことだから、Just do it. 即、やる。やればいい。
 簡単なことだが、何かしらのハードルがあってなかなか動けない場合は、それを排除すればいい。

 こうして、みんなで、ゆでがえるになっている日本の経済を、もう一度盛り上げていこう。みんなで頑張ろう。きっとできる。We can do it.

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伊藤羊一 Voicyパーソナリティ
Zアカデミア学長(Zホールディングス)/武蔵野大学アントプレナーシップ学部長(武蔵野EMC,2021年4月開設)/株式会社ウェイウェイ代表。著書53万部超の「1分で話せ」(2もあり)「0秒で動け」「1行書くだけ日記」「ブレイクセルフ」「FREE FLAT FUN」など。