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視野をぐっと広げるための『文化度レベル』を向上させる方法

先日ある起業家の方と新年会をしていたら、「社員の文化度ってどうやってあげるの?」という話になった。

この問いに対する私の答えは、「まず1つ、自分で買うしかないんですよね」でした。

ここでいう「文化度」だが、自分の目の前にある業務と直接関わりがないとしても、人生(自分自身の・仕事を一緒にする相手の)を輝かせるために視野を広げることにつながるものだと考えている。日々の暮らしに関わるものを扱う業種にとっては『文化度レベル』を上げることは必須だし、というかもはや人間が作っている時点ですべてが人間の日々につながると思うので言うなればすべての業種に必要な『レベル上げ』だと思う。

私自身は、何か自分の気持ちを上げてくれるようなものを作っている人たちと一緒に仕事をするための事業を立ち上げるほどに、文化度の高いことに興味がすごくある人種です。

冒頭で触れた「まず1つ」というのは、私にとっては、友人がデザイナーを務めるジュエリーブランドのジュエリーだった。SIRI SIRIという日本の(東京の)伝統工芸技術を使ったコンテンポラリージュエリーのブランドで、元々嗜好品やアクセサリーなどへの感度は低い方ではなかったが、今から15年前、26歳だった私には数万円のジュエリーを日常づかいするのはなかなかの自己投資。月給の1-2割のジュエリーって高級ですよね。

でも、勇気を出して買った。そういう意図で、ふだんの自分が届かないようなジュエリーを1点身につけるだけで、やっぱり急なアンテナが立って、街行く人、たまに会う友達、自分より給料をもらっているであろう上司をそういう目で見るようになった。「ほーん、あれは◯万円するな…」「それは話題になったやつ」「定番のいいものをつけてるな」というような感じ。「あの人ジュエリーに比重を置くタイプなんだ。気が合うかも」ということすら伝わってくる。その視点を持てることが何より、自己投資だったなと思う。

その後、ジュエリーから広がった私の視点は生活の中にあるアートに移り、 やっぱり手に入れたら急に気になる、全然違うジャンルのものまで気になるようになる、という視野の広がりがそこにはありました。

まず1つ買うと急にそのジャンルに関するアンテナが立つ、という現象は私の経験上、人を選びません。以前から、モノ関係のカンファレンスでは、「目利きできるようになるにはどうしたらよいですか?」という質問がよくあがります。

私は、特別な環境で生まれ育ったわけではないですし、また、目利きを専門家として特化したレベルにはなく、ものを見ればある程度売れる売れないの判断ができる程度ですが、これは後発的なもので、上記のような道を辿って量を見てきただけの話なんですね。

そんなわけで個人の文化度レベル上げには「まず1つ買って、アンテナを立てる」というのが一番。そして、自分のお金で買うことが最重要。自分の大切なお金を割いたことで感度が高まるのであって、貰い物ではそうはなりません。

となると、文化度をあげてほしい社員にアンテナを立ててほしいけど、最初のフックがない。アンテナが気づいたら立ってた・・・!と誘導するコツはずばり、「恋をすること」です。男女関係の恋だけでなく、信頼する他者へ関心を持つことで、「この人と同じ目線で見たい」と火がついてアンテナが立って解像度が上がるんです、メガネを手に入れたみたいに。

そのあと、恋が加速して、「この人と共通言語を持ちたい」という想いで継続する。お金をかけてまで、「この人と同じ目線になりたい」「この人と共通言語を持ちたい」となったらもうこっちのもの。文化度を上げるためには、「恋する」相手を見つけるのが一番です。

また、『文化度レベル』は、常に向上させる必要があります。終わりがない。だから、自分より先を行く人に恋をして引っ張ってもらうというのが、継続的にレベル上げできるもう一つのコツだと思います。『文化度レベル』に関しては、毎回毎回コーチングされてコントロールできるものじゃない。

推しができたらその人と同じ目線で見たいじゃないですか。他人事じゃなくなる。急に見えるようになるし、共通言語もほしいとなったら、たくさん見るとかたくさん調べるとか、興味ないといけなくなる。そうなれば、もうどんどん自主的に上がっていくというスパイラルが生まれます。

これは、マネージメントとしては、そういった人物に自分がなる、もしくは、そういった人を上がって欲しい人の近くに置く、自己啓発としては、そういった人を置いてアンテナの目印にしながら、日々文化度レベル上げに取り組んでいきましょう。


サポートいただけたいた方は仲間と思って日々精進しようと思います。とりあえず、ビールを買って乾杯させていただきます。