値上げよりも原油高のほうが厳しい

毎年10月は価格改定の時期になるので、値上げが家計の財布を直撃的なニュースがありますが、ことしは原油価格上昇の影響のほうが厳しいでしょう。

というのも、足元のドバイ原油価格は80ドル/バレルを超え、昨年9月末の同57ドル台から4割以上上昇しています。

これは、過去のデータに基づけば、半年のタイムラグを伴い、消費者物価を通じて家計負担を月1,400円程度、年換算で1.7万円程度増加させる計算となります。

そしておそらく、今後の原油価格がこの水準で推移することになれば、今年の経済成長率は原油価格の上昇により▲0.2%ポイント程度押し下げることになります。足元の原油高が持続すれば、マクロ経済的に見ても甚大な悪影響を及ぼすといえるでしょう。

さらに、足元の原油価格と過去の交易利得(損失)との関係から、今後の原油先物価格が足元の水準で推移すると、今年は▲3兆円近く所得の海外流出が生じることになります。

世界中で資源価格の上昇が続く限り、資源の海外依存度が高い日本経済が資源価格上昇の悪影響を相対的に受けやすく、日本経済は構造的に苦境に立たされやすい環境にあるといえるでしょう。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35929290Z20C18A9EA5000/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?