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寝不足ニッポン 「寝てない自慢」はもうやめよう

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

そろそろ秋の風を感じる季節になってきました。寝苦しい熱帯夜も終わり、涼しいそよ風を感じながら寝る秋の夜長はよいものです。

しかし、平日はどうしても寝るのが遅くなってしまい、土日で「寝だめ」するという方も結構いらっしゃるのではないでしょうか?

国民の睡眠時間は先進国最低クラスで、睡眠不足に伴う経済損失は年間15兆円。そんな寝不足大国ニッポンの実像を追うなかで、最先端の技術で良質な睡眠を確保する「スリープテック」の進化や、眠りそのものを楽しむ「眠活市場」の活況など、眠りとの向き合い方に変化の兆しが見えてきました。人生の3分の1を占めるという睡眠時間。あなたは眠れていますか――。

私も以前は土日に寝だめをするタイプで、午前中はなんだかんだでベッドから出ないでウトウトしていました。というのも、若い頃から比較的ロングスリーパーのようで、大人になってからも睡眠は7時間はとりたいですし、6時間を切ると次の日のパフォーマンスがだだ下がりすること必至です。

経済協力開発機構(OECD)の21年版調査によると、日本人の平均睡眠時間は7時間22分で加盟国のうち30カ国で最下位。全体平均の8時間24分とほぼ1時間もの差がある。厚生労働省が20年に公表したデータでも、20代以上で6時間未満の睡眠だった人が39%だった。
(筆者略)
日本の経済損失は年15兆円。米シンクタンク「ランド研究所」が16年、睡眠不足の影響をもとにはじき出した試算だ。国内総生産(GDP)に換算した損失の割合は2.92%で、調査対象の5カ国でワースト1位を記録した。

以前、日系企業に勤めていたときは19−20時くらいまで仕事をし、その後みんなでご飯や飲み会に繰り出して23時くらいに家路につく。なんだかんだで寝るのは1時近くという生活をしていました。

ところが、グローバル企業に転職したら、日本オフィスであっても17時になるとほぼ人がいなくなる状況にショックを受けました。出張で海外オフィスで仕事をしていても同じ状況か、場合によっては15時すぎくらいから次第に人が少なくなっていきます。今日の仕事が終わった人は会社のジムやジョギングに出かけてしまうからです。

そのような環境の影響か、私もだんだんと生活リズムが変わってきました。今では平日も土日も関係なく、23時前には就寝して朝6時半に起きる生活になりました。自分にはこのリズムが一番合っているように思います。

去年に台湾のデジタル大臣 オードリー・タンさんにインタビューする機会がありました。

そのときにふと思って「毎日どれくらい寝てますか?」と質問したところ「結構寝ますよ。9時間くらい」と言われてびっくりしました。「え、そんなに?」と返すと「よく寝もしないで頭が回転するわけない」とのことでした。確かに言われてみれば理にかなっています。ときに天才エンジニアと呼ばれる彼女でも寝ないとダメなのだとすれば、凡人の私は余計しっかり寝ないといけないな、と思った記憶があります。

最近ではスマートウォッチやその他のデバイスで、アクティビティや睡眠状況を計測できるものが増えてきました。私の周りでにわかにブームとなっているのが、指輪型の「Oura Ring」です。

私も使っていますが、日々のコンディションを保つためのアドバイスをしてくれたり、いつ寝ればいいのか等を教えてくれるため、生活のリズムをつくるのにも役立ちます。睡眠の詳細(ノンレム、レム睡眠)も計測してくれるので、眠りの質を上げる目安にもなり便利です。

寝てないで頑張って働くことが美徳だった時代はとっくに終わっています。自身の健康と生産性のためにも、もっと眠りに意識を向けていきたいと思います。

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タイトル画像提供:EKAKI / PIXTA(ピクスタ)

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