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会社の会議を、整理してみよう。

これからは、ハイブリッド勤務

 なかなか、終わりが見えないCOVID-19、コロナ感染症である。この感染症で、各自の会社の勤務形態が大きく変化しただろう。

 ただ、少し感染症の出口が見えてきたのか、Googleのように、今までよりも、出社規制や、分散出社の規則を緩める会社も増えてきただろう。会社の出社規制を緩めるときに問題になるのは、以前のように完全に全員出社に戻すのかということである。

 この記事にもあるように、多くの企業では、この2年間でテレワークやリモートワークを経験した。そこで、テレワークの良さと、テレワークで行いにくいことを体験した。今、この体験を整理し、新しい会社の勤務、言い換えれば、過去より生産性の高い勤務方法を設計する時期だと思う。

 そこで、今回は、その会社の中の勤務で、どの会社にも存在する「会議」の再定義と、会議の実施方法に関して議論をしたい。会社の会議の目的に合わせて、会議の形式をきちんと決めて、会議の生産性も高めた方が良いと考えるからである。

小学校の「会」を振り返ってみよう

 私たちは、とある時から、皆んなが集まる行事の多くを「会議」と呼ぶようになる。しかし、その最初の練習は、小学校の「会」だろう。この小学校の「会」は、文部科学省の指導要領にきちんと定義されている「特別活動」と呼ばれるもので、それぞれの「会」に学びの目的が定義されている。小学校と中学校では、「会」の目的が異なるので、ここでは小学校低学年の指導要領を参考にしながら、小学校の代表的な「会」を振り返ってみよう。

小学校-会

  上記は、小学校で行われる会の例と、その「会の分類」と「内容」は、文部科学省の指導要領を参考にしたものである。ここで重要なのは、会議の「内容・目的」が明確になっているので、会議の開催方法・形式が決まっているのである。

 入学式や卒業式で、椅子にきちんと座らされることや、卒業証書の受け取り方の指導をされるのは、「儀式的行事」であり「厳粛で清心な気分を味わう」ために必要なのである。

 全校児童集会にも、その「会」の学習目的や内容があるから、実施されていたのである。

 実は、私たちが学校教育で体験してきた「会」は、このように「内容・目的」が明確になっているので、それに相応しい「会の場所」と「会の雰囲気」を設定されていたのである。「会」が、きちんと設計されていたのである。

会社の会議は、きちんと定義されているだろうか?

 では、話を会社の会議に戻そう。以下の記事にもあるように、会議の目的によっては、「オンライン」でもよいものがあることが、明らかになり始めた。

 では、今度は全ての会議を「オンライン」にすれば良いかと言えば、それは異なるだろう。会社の「会議」にも、きちんとした「会議」の設計が必要だろう。そのためには、まず会社の会議の棚卸、つまり整理が必要だ。

会議

 上記の表は、私が考えた分類である。代表的な会議名と会議の5つの分類に合わせて整理してみた。この会議の分類と内容が明確になれば、会議の開催方法が明確になるだろう。

 会議は、会議室で。これは、合理的な考え方ではない。会議の目的・内容に合わせて、最適な開催方法を準備するべきだろう。

新年度、会社の入社式はどうしますか?

 日本では、多くの企業で、4/1が入社式だ。このコロナ禍で、多くの企業が悩むのが入社式である。

 直近の内定式では、オンラインが定着したそうだ。これは、正解だろうか?内定式・入社式の目的な何だろうか?上記の会議の分類では、「気持ちを上げる」会議だろう。オンラインで行う場合に、「気持ちを上げる」方法が導入されているだろうか?

 リアル開催の入社式では、同期の新入社員と会うことが、「気持ちを上げる」という影響を与えている。これがオンラインでできれば、オンライン開催で良いのであろう。

 リアル開催の式次第をそのまま、オンライン開催にすることは、正解ではないのだろう。例えば、オンラインの新入社員同士がオンラインで雑談できる時間を十分に作るなどの工夫もあって良いのだろう。

実は、オンライン国会の問題も

 この問題、実は国会開催でも議論されている。

 国会は、特別な会議であり、開催形式を自由に変更できることは、立法府の透明性を失うことにもなるために、慎重に議論すべきだとは思う。しかし、実際には国会の会議にも幾つの目的があるのだろう。その目的の整理から、会議の開催形式を議論するのも一つの方法だと思う。

コロナだからではなく、最適な会議の再定義

 これから、会社の勤務は、ハイブリッド勤務になるだろう。出勤が必要な勤務と、自宅勤務の組み合わせである。この勤務の選択も、好き嫌いではなく、主たる業務目的によって決めるのだろう。

 会議も同じである。まさか、30分の連絡会議のためだけに、往復勤務するというのは、生産性が高くない。そこで、きちんと会議を整理して、会議の最適な手法の再定義を行う時期なのだ。これは、日本の企業の生産性を高くすることに繋がる。ぜひ、日本の経済成長のために、会議の再定義を行おう。


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本間 充 マーケティングサイエンスラボ所長/アビームコンサルティング顧問
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