アフターコロナに向けてやるべきは「どうしても会いたい」リストに入ること
5月4日、緊急事態宣言の延長が決まった。それでも、段階的に自粛を緩めるお店が増え始めた。街に、人も増えてきている。
自粛が正式に解けたら動き出せば理論的にはいいが、リアルなイベントをどこから打つかの判断はとても難しい。現に私自身も、6/1から担当している商業施設の売り場をどうするべきなのか頭を抱えている最中だ。しばらくはリアルな売り場の人件費を最小限に押え、オンライン施策と同時進行で進める判断をせざるを得ないだろう。
そして、自粛前の状況に戻ることはない。この3ヶ月で多くの人が、気付いてしまった。今後、オンラインで事足りることにお金を落とさなくなるだろう。「行かなくても良い」を知ってしまったから。
解除が進めば少しずつ戻っていくのだろうが、満員電車に乗らなくてもいい日々を多くの人が体験したのは大きい。今後は通勤せず、リモートになる人も増えるだろうし、会社がそこにあるからという理由でなんとなく通りすぎる道中にあった出会いは、機会が減っていく。
移動が減ると、交通費がかからないことに気がつく。これからしばらくは、これまでは当たり前に使っていた交通費の負担がいちいち引っかかって移動は減るだろう。
お金を使うのに、わざわざ出かけるのに、何かと「どうしても」なのか脳裏に浮かぶようになる。
以前、リアル店舗はオワコンといわれはじめて悔しくて書いた「想像を越えろ!これからのお店のあり方」という投稿の中で、リアル店舗のあり方のポイントを、
①想像を越える展開があるか
②五感を伴う経験ができるか
③好きな人に会える場所か
と書いたが、これは
どうしても感じたい
どうしても触れたい
どうしても会いたい
と同じだ。
「どうしても会いたい」は強い。
直接会うことで得られる情報量の多さは、オンラインでは代えられないと体験して浮き彫りになった。「どうしても会いたい」は最強だ。コロナ収束後の中国では、カフェ業態が即回復している。
誰かの特別な「モノ」を作って販売するブランド、作家さん、店舗のオーナー。もしくは、特別な「時間」を提供しているシェフ、ソムリエ、バーテンダー、飲食店のオーナー。その、リアル勢が生き残るためにやらなければならないことは、「どうしても会いたい」リストに今入ることだ。すなわち、その枠に入るために今できることをやる必要がある。
これを怠ると、なんとなく出会う機会はこれからしばらくは減少傾向で、周りに誰もいなくなる。怖いことを書いているが、そういう現実がすぐそこにきている。この3ヶ月間、このブランド・店舗は顧客の「どうしても会いたい」リスト入りしているだろうなとたくさんの事例を見てきて、必須要素の分類ができたので紹介したい。
繋がりある顧客を大切に、喜ばせる企画をしよう
企画というのは、主に商品企画のことを指している。今できることで繋がりある顧客を喜ばせる・救うために急遽ゼロから商品開発をして発売にこぎつけている人たちは、爆発的に伸びた。商品開発ができなくても、この半年の期間に出そうとしていたものの出し方やタイミングを“今”できる最適な形に変えて打ち出す企画も有効で、確実に伸びている。
ブランド側が、楽しみを提供することで顧客の厳しい自粛期間を救う提案をする一方で、こういうときだからこそ、顧客はブランドの助けになりたいと思っている。だから、SNSでの反応も早いし、購入されやすい。相思相愛で、お互いが救いあう現象とでもいうのか、どちらも誠実であればあるほどこういういい連鎖は止まらない。
大変なときに救われる想いをした人は絶対忘れない。一緒に乗り越えたという経験は強い。大袈裟かもしれないが、ここで強まった繋がりは生涯続く。
自信作を見せられるよう、整えよう
次に重要な要素は、ベースの部分の話。これは、オンラインが当たり前になった今だからこそ、やるべきことだ。これ以降、オンラインの環境が整っていないのは、今までに増して話にならなくなる。オンライン環境を整えることを始める、最後のチャンスだろう。SNS、オンラインショップ、Zoomでの接客、ライブ配信など…。心が沈むと更新しなくなりがちだが情報は当たり前に一揃い公開しておいた方がいい。
日々作り続けている人は、新しいものを提案したいという想いが強い。自粛で準備ができず落ち込んでいる人もいるだろうが、新作でなくてもいい。むしろ、新作よりも実績のある定番・自信作にアクセスできるよう整えることが重要。自信作の束を見て、顧客候補になるファンにわかりやすく開いておくことは、未来への種まきだ。
新しいことを試す、距離を縮める
今まで取り組めなかった新しいことを、試してみるチャンスは今だ。これまで、目の前にあることで手一杯だった流れが一旦止まった。選択肢が狭まった今こそ、新しいアイディアを試すには絶好の機会だ。「今このタイミングだから」試して、今後も続けるのかはやってから判断すればいい。いつもだったらやらないだろうけど…という企画が響いて売上がどう見ても伸びているブランドもここのところちらほら見かける。こういう勇気はもっと讃えられるべきだ。
普段は、顧客からの期待値を上げることばかりに意識が行きがちだが、長く関係を続けるには、遠い存在になりすぎないことも重要だ。今だからこそ、人間らしくチャレンジするところを見せてもいい。それが、顧客と距離を縮めることに繋がったりするのだ。プラスにしかならない期間が終わる前に、通常だったらできないようなことを試そう。
以上が、「どうしても会いたい」リスト入りするための3要素だ。この要素を含んだ取り組みができれば、顧客から、また顧客候補のファンになってくれた人の、「どうしても会いたい」「会えるようになったらどうしても会いにいく」リストに入れる。
今からでも遅くない。
必死に届けよう、何かやろう、という心意気は届く人には届く。
持続化給付金の申請や、助成金、下記のようなことも対応しつつ、前を向いて行きましょう。未来を明るくするのは私たちだ!
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