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CtoCサービスを利用者として選択する時は、便利さではなくファンベースで考えるべきと感じたはなし。

事件化してから一向に収まらない、キッズラインの事案。

キッズラインに登録するシッターの男が、保育中の男児に強制わいせつをした疑いで逮捕された。利用者に十分な説明がなされないまま、6月12日に別の登録シッターの男も同様の容疑で逮捕された。

ニュースや分析記事を読むととても思うことはありつつ、

ベビーシッターと利用者をネット上で仲介する「マッチング型」の保育サービスでトラブルが相次いでいる。大手のキッズライン(東京・港)では、シッターが保育中に強制わいせつをした疑いで逮捕される事件が続いた。トラブル発生時の対応は運営事業者によって異なる。事業者がどこまで責任を負うのか議論も残る。

まさに、この「事業者がどこまで責任を負うのか」という問題は、クラウドファンディングという同じCtoCのサービスを行っている身にとって考えなくてはいけない問題でもある。

先に自分の見解を述べてしまうと、原則CtoCのサービスは、どのCtoCサービスのでも利用規約で明示されている通り、そして実態、グローバルスタンダードとしても、あくまでトラブルなどは登場者同士での解決となるサービスである。また、それを認識して利用いただくべきものだと思う。プラットフォーム側が「完全なる安全」を提供するのは物理的に無理でもある。ここに何らかの規制が入ってしまうと、UBERもそうだけどCtoCやギグ・エコノミーは成立しない。クラウドファンディングもそう。だから本来的にはキッズライン社が何らかの責を追うものではないはず・・・・である。

ただ、本稿の主題とはずれるが、調査報道で明らかになった事実として、そのような規範を大きく逸脱した運用が平気で行われてしまっており、どうやらキッズライン社に関しては、CtoCという原則自体もどうやら利益至上主義によって自ら踏みにじっていた模様なので、当てはめるべきではないと思う。

ありえない・・・。被害に合われた方のお気持ちはいかなるものかという思い、そしてこれでまたイノベーションが阻害されるきっかけが生まれてしまったという、両面から暗澹たる気持ちです。日本では「既得権益がイノベーションを邪魔をする」「役所が古くて駄目なんだ」というのが事実の様に言われてますが、結構、性善説で許されてたグレーゾーンに「バレなければ何をしてもいい」「上場できればいい」という方々がモラル度外視のフルスロットルで”成長”だけにフォーカスすることでトラブルを起こし、役所がグレーゾーンに白黒つけなくてはならなくなってしまうということが繰り返され続けてきていることが多い気がしています。モラルすらも「イノベーションの障害」と勘違いしている人達によって、日本のイノベーションの余地が狭められて来ている。またそういう人に限って、なんでか人命や健康に直結しかねない事業領域に突っ込んでいく・・・。

このような事案をどうやって減らしつつも、規制などの形で軽やかなCtoCサービスで生まれる社会的便益は押し下げない方法はないものだろうか?キッズライン社の事案が発生していた今、何を悠長なことをと思われたらすみません。でもそんなことを考えてみた結果、当たり前に聞こえるかもしれないけども、CtoCサービスなんだからCがつかなければそもそもサービスが立ち行かないわけで、そのような自然淘汰が一番良いのではという考えにしかならない。。。そこまでは当たり前の話だとして、では何故キッズライン社が淘汰されなかったのか。それはきっと、C(利用者)に訴求するポイントがしっかりあったということだろう。

・経費(Cost)
・顧客利便性(Convenience)

などが明確に利益が利用者にありそうで、且つ、大きな額をVCなどから資金調達を行い、著名なベンチャー界のマドンナ的な存在の方がしっかりと

・販促(Promotion)

を行ってメディアにもバンバン出ていたわけなので、多くのC(利用者)の方々が利用されるのは当然の帰結だったのかもしれない。しかしながら、今までの常識で考えるとプロモーションで認知したものをコストや利益を検証し+と判断したら利用するという正しく懸命だったはずの消費者判断軸は、実はこれからの社会特にアフターコロナの世界で加速しているポスト・経済成長社会では、アップデートすべき対象であるという事を考えさせられる事例かもしれないと思う。

アフターコロナの世界ではソーシャルディスタンスが大前提となる以上、「スピード」感を持って「スケール(拡大再生産)」していくことが実現困難な概念になってしまった。これまでのモデルの経済の成長を駆動させて来た大きなエンジンであるし、その概念が、「期待感」を醸成するプロモーションによって、生活レベルの判断軸にも浸透してきたのがこれまでだと思う。CostやConvenienceといった概念はまさにそれであるし、Promotionは欲望を刺激して期待感を高めて経済活動を活性化してきたのである。しかしこれからは、「ゆっくり」と「平準化」されたなかで「持続可能」な成長を志向していかなくてはいけない。であるならば、そんな社会に向かう上では、サービスの選択を消費者として行う際も、CostやConvenienceやPromotionというところではない判断軸を新しくもつ必要が出てくるなず。そしてその中で更に広まっていくであろうCtoCやシェアリングエコノミーはこれまでの標準だったBtoCのサービスとは前提が大きく違うので、利用者がしっかりと自己責任でリスクを見極める必要があるという変化もある。それも踏まえると、

1、安全性
2、公益性

のほうが、こらからは便利さよりも判断軸として重視されるのが正解な気がしている。ただ、この2つは、コストの様にその時点で確定している情報とは違い、将来を予見しなくてはいけない評価であり、だから難しく定着しないのだとも思ったのだが、それを考えてふと思い出したのが、これからのマーケティングのあり方として、さとなお氏が提唱していた『ファンベース』という概念。そう、こらからマーケティングで重視されるのが「ファン」であるならば、まさにその「ファン」を見ることで、実は、そのサービスの安全性や公益性は予見できるのではないかと考えました。

『ファンベース』という概念は、ここにまとめられています。

1 ファンは売上の大半を支え、伸ばしてくれます
多くの小売、BtoBでは、ファン上位20%が売上の80%を支えているという、パレートの法則が適用されます。また、「より熱量の高いファン(コアファン)」が30%から40%の売上を支えていることがわかっています。
2 時代的・社会的にファンの重要度が増しています
新規顧客の獲得がどんどん困難になっていきます。
①人口急減やウルトラ高齢社会でマーケットが縮小する
②若者の物欲減少と独身者の増加で、新規需要が減っていく
③情報の洪水やエンタメの過剰により広告がいよいよ効かなくなる
3 ファンは新規顧客を増やしてくれます
一番信頼されている情報源は家族や友人であるという調査結果がでています。つまり昔よりクチコミや紹介が効きやすいのが今です。情報も商品も過剰に多すぎる時代に、企業や商品のファンから熱量高く友人へオススメしてもらうことで最強の信頼を獲得できます。

クリエイター・ディレクターとしてえ広告業界を舞台に活躍されている著名な、さとなおさんが提唱するこの考え方は、記事を通じてある程度把握はしていたつもりでしたが、今回のコロナ禍に於いて、さとなおさんが始めた、ファンが起案者となって変わりに応援を集めてお店を助ける取り組みである「応援させてプロジェクト」で、ご一緒するなかで、改めて興味を持ちました。

話をお伺いすればするほど、クラウドファンディングを運営している自分にとっては、これまでの実感値を体系化されている感覚も相まって、MOTIONGALLERYのPODCAST番組でも詳しくお話をお伺いしました。是非聞いてみてください。

経済がシュリンクしていく中では、これまでの様に新規顧客獲得によるスケールを目指しPromotionをやるようなモデルでは対応できなくなってきており、既存顧客といかにリレーションを強め、むしろその既存顧客が新しい顧客を引っ張ってきてくれるような状況が、コンバージョンも高く、そして(そのお店やサービスにとって)良質で安心感のある顧客が増えていくのだという考え方。

実は、クラウドファンディングはまさにそうで、2011年のスタート時期は意気軒昂に広告を出稿してみたりしたけど全然効果がなく、MOTIONGALLERYは派手なことではなく、地道に良質なプロジェクトを起案者様と一緒に掲載し、そのプロジェクトによってファンがファンを呼ぶような形で育ってきたことを思い出しました。そしてそのような、「期待値を売る」ような煽りやギミックでクラウドファンディングプロジェクトを行う事から背を向けて、実直にそのプロジェクトの価値だと自分たちが思っているものを誠実に訴え、それに共感したひとから応援を集めていく形をMOTIONGALLERYの指針として運営してきたことで、誤解やトラブルは本当に少ないし、逆にCostで訴求しているようなクラウドファンディングのプロジェクトは後々大変なことが待ち受けているようだとは他社さんの事例を聞いています。きっとそれは、ファンになって頂いてからクラウドファンディングに参加してもらうところをCostの魅力でショートカットしたからでしょう。クラウドファンディングでお金を集めるという短期的視点ではあり得る選択肢かもしれないが、プロジェクトを全体で見ると、やはり悪手。

つまり何がいいたいかと言うと、CtoCサービスのような、「コミュニティー」に近いサービスの限っていえば、CostやConvenienceやPromotionはもはや、「コミュニティー」を真っ当に育てるための下積みをショートカットするためのものでしかなく、得てしてその本質を見えなくしてしまう可能性すらあるという事に気付かされまいた。

CtoCサービスである以上それは「コミュニティー」として捉えるべきで、であるならば、そのゆっくりと時間をかけないと育たない「コミュニティー」の質を見ることが、どれだけちゃんと真っ当にサービスの本質に取り組んで来たかがわかる、指標なのではないでしょうか。

「コミュニティーとしては微妙だけど安いからいいか」がこれから気をつけなければいけない感覚に今後なっていくのではないかと思います。そして、ここで言うコミュニティーは、利用者のコミュニティーだけでなく、運営事業者やそのファン・取り巻きをも含んで考えると、CtoCサービスで被害に合わない安全性を予見した選択につながると感じます。

やはり、いつの時代も類は友を呼び、その友を見る事でもだいぶ見通せることがあるのではないでしょうか・・・。

確かに、CostやConvenienceなど定量比較できるもので、サービスを選びたくなる気持ちもとてもよくわかりますし、コミュニティーを見て判断するみたいなことは時間もかかるし非常に感覚的なものなので、非合理的だと思われるかもしれません。でもその面倒なプロセスをみんなが踏まえる様になると、このようなサービスの淘汰が進み、それが結果お仕着せではない形で「事業者のモラル」の回復につながるのかもしれません。残念ながら、消費者が事業者を「選択」を通じて啓蒙してあげないと行けない時代なのかもしれませんね。

クラウドファンディングというCtoCサービスを運営している自分としても、プラットフォーム選びで表面的な数値を判断軸にしている方を見ると、CtoCサービスの本質を理解していないのでは?と思ってしまいますし、どんだけ見た目上のPromotionが優れていようとも、そのコミュニティーでハラスメントを容認していることが容易に推察できる状況であるにも関わらず、そこで起案することがどういう意味を持つのかをセンシティブに考えるべきだと思います。ヨーゼフ・ボイスの行っていた「社会彫刻」ってまさにそういうことなんだと思います。

最後に1つ。
こんな嬉しい投稿をMOTIONGALLERYで起案されているかたがしていました。MOTIONGALLERYの話になってしまいますが、まさにこういうことを目指して来ました。これからも、丁寧に社会と向き合う方たちと一緒に、少しでも良いものを生み出していき社会に貢献していきたいと思いますし、そういう考え方にピンとくる人達をみんなで増やして行ければいいなあと思います。

MOTIONGALLERYこそ、まずは一層ファンベースをしっかりと作って行かなくては行けない、そう思いました。

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リサリサ先生 たばこ逆さだぜ
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#MOTIONGALLERY #POPcorn #さいたま国際芸術祭2020キュレーター #映画プロデューサー 外資戦コン→東京藝大→起業 社会をみんなでクリエイティブにする為に、クラウドファンディングのMOTIONGALLERYとマイクロシアターのPOPcornをやってます

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