社内起業家という選択肢
「起業をした方がいい」「社畜のままではいけない」このような意見をよく聞きます。
しかし、会社を明日辞めて事業を立ち上げてすぐに売り上げを上げて会社と生活を回していける人はごくわずかです。
シンガポールには大成功をした起業家達がたくさんいます。しかし、彼らはほんの上澄みの成功者達です。多くの人は脱落していなくなるので勝ち残りしか残っていないのです。無数の敗者の存在を知らないのです。起業家達の行動パターンを見ても会社員と比べるとかなりリスクの高い選択肢を常日頃から選ぶ傾向があると感じます。全ての人が同じことをまねても大失敗するリスクがあるのです。
財務諸表も読めない、法律も分からない、請求書も作れないなどのノウハウがないまま起業するリスクもあります。こうした細かなバックオフィス作業はもちろんアウトソーシングもできますが、立ち上げたばかりではなかなか資金もままならないでしょう。
そんな中、社内起業家は会社をやめることなく、親会社の資本やノウハウを利用しながら経験ができるので安定収入を得ながら、次のステップに繋がりやすいでしょう。
経験を生かして定年後に自己資金で起業も考えられます。
私は自己資金で会社をシンガポールに作って運営をしているために、バックオフィスも全部自分でやっています。FPという職業柄、もちろん他の人よりもキャッチアップは早くできましたが。コロナ下で売り上げを継続的に維持することは並大抵の努力では成せないことでした。
「#社内起業家になってやりたいこと」は何でしょうか。
もし大企業の中に所属して社内起業ができるのであれば、フィンテックやAIなどで多くの人に金融の知識を届けることを考えたいです。
大きな資本があるのであれば、ITなどに投資をして、目先の売り上げを自己資金でやりくりする時ほどは気にせずに社会的使命と感じていることに集中ができそうです。
会社側からみた効果はどうでしょうか。
社内でイノベーションを起こす、人材を育てられるなどが考えられます。日本はベンチャーが育たないと言われていますが、企業の余剰資金を活用して産業を育成すべきでしょう。
また、子会社が大成功した場合、親会社が株主であれば利益を享受することができます。複数に投資をしていくつか大当たりすればよいくらいの気持ちで応援し、育てるべきです。
また社員の成長にもつながります。全ての社員が会社の決算を気にすべきであり、自分の給料などのコスト、売り上げ、税金などを考えるべきです。子会社の代表に株を持たせるなどをするとやる気もより大きくなるのではないでしょうか。
日本には成功と成長のストーリーが必要です。起業というハイリスクハイリターンの選択肢の他にも社内起業家というミドルリスクミドルリターンの道が開けると日本の企業や社員にとって良い方向にいきそうです。
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