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大学の研究予算を増やしましょうよ!

大学は、研究所でもあります。

 ソフトバンクグループ(SBG)は、東京大学と、人工知能(AI)の研究所を共同設立することになりました。とても、良い取り組みです。

大学とは、教育機関でもあり、研究機関でもあります。さまざまな分野の研究者がいる大学で行える研究と、ある領域に関して集中して研究する企業の研究では、その研究方法も成果もことなります。大学が研究を行う意味もここにあるのではないでしょうか。

 ところで、この「基礎研究するばかりではお金も情熱も続かない」という発言を少し考えてみたいと思います。

大学運営予算は微増

 東京大学で発表している資料に、明日の東京大学 危機に立つ財政(平成22年)の資料があります。この資料に、大学の運営予算についてのことが説明されています。

・日本の高等教育に対する公的支出の割合は、OECDの平均の半分と、そもそも低い。
・実際、東京大学への運営交付金は、年々減っている。
・結果、東京大学の運営予算は、微増

  つまり、これだけ、大学で行うべき研究テーマが増えているのに、なかなか積極的に研究活動を増やすことが出来ない状況に、大学は置かれているのです。

 今回、ソフトバンクグループは、研究を共同設立するために、10年で200億円を支出する予定です。このような、企業支援が増えない限り、今の大学の予算では、積極的に、集中的に研究を行うことが出来ないのです。

大学における基礎研究と応用研究

 「基礎研究するばかりではお金も情熱も続かない」の発言の、基礎研究に焦点をあてましょう。そこで、次の資料を見てみましょう。内閣府で“AI ready”とは何か? - 内閣府で、2018年に、Yahoo! JAPAN Chief Strategy Officerの安宅 和人 (Kaz Ataka)さんが発表された、“AI ready”とは何か? という資料です。

 この資料の25Pageが衝撃的なのです。これだけ、AIが注目されている中で、主な企業のDeep Leaningのリーダーに、誰一人、日本人がいないのです。さらに、次の26Pageでは、そもそも必要な人材を育成できていないのです。

 つまり、日本の大学の研究者育成、さらに研究活動、そのものが不足しているように思えるのです。つまり、「基礎研究か?応用研究か?」という課題ではなく、「基礎研究も、応用研究も」不足しているということではないでしょうか。

 このままでは、日本の経済成長にも大きな問題を与えます。ぜひ、これをきっかけに、大学の研究機能としての役割を再認識して、大学の研究予算の増加についての議論が深まればと考えます。

#COMEMO #NIKKEI

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