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シードVCが考える「生きることを楽しむ」起業のススメ

昨年末、岸田内閣がスタートアップ5カ年計画を発表しました。現在日本政府・経産省は経済成長の主眼をスタートアップにおき、全力で起業創出・支援をしていこうと動いています。

なぜ、今スタートアップ支援なのか。

こちらのグラフは、TOPIX(日本)とS&P(米国)における、直近10年間の株式市場のパフォーマンス推移です。

見ていただくと分かる通り、GAFAMを含まないS&P500のパフォーマンス(赤線)は、日本のTOPIX(黒線)と大きく乖離していません。逆にいえばGAFAMの存在が米国経済を牽引しているのです。つまり、日本がGAFAMのような存在を生み出せていたら、経済はもっと成長していたのではないか。
このGAFAMのように、これから急成長していくスタートアップを日本からしっかり生み出していくことの重要性を改めて認識し、岸田総理は2022年スタートアップ元年として位置づけ スタートアップフォーカスの成長戦略を描きました。  

と、起業することが日本経済とって良いことなのかわかっても、まぁ「知らんがな」ですよね。今、私はVCとして起業家を支援していく中で、改めて個人レベルの視点で、なぜ起業が良いのか再考してみました。
それは、シンプルに言うと、起業が「自分の人生」を楽しむ最強の方法だからです。

起業のススメ

起業が「自分の人生」を楽しむ最強の方法、とまとめましたが、2つの観点で最強と考えています。

1. 自己実現のスキル向上
2. 自分の魅力の最大化

1.自己実現のスキル向上

人生を楽しむのに、スキルって・・・・って思うかもしれませんが 生きる上で、ほしいもの・やりたいことなど、手に入れたい物事があったり、逆に嫌なこと・関わりたくないこと、など色んな局面がありますよね。でも、いつも楽しく生きている人は、おそらく毎日ラッキーなことが起こってるわけではなく、ネガティブなことはひたすら問題解決して、自らより良い形に持って行けていく力があるからではないでしょうか。 つまり、得たい状況を得る道筋をつくりそこを歩み、課題を解決し続けて到達している、 この繰り返しだと思います。

起業すると何が起こるか。 会社を立ち上げ、事業ドメインを選定し、ユーザーに使ってもらえるプロダクトに昇華させ、組織をつくり、必要に応じて資金を外部から調達・借入を行い、そして、売上をつくり利益を生みだす。
これを実現するには、たくさんのハードシングスがつきものです。 開発が進まない、やっとプロダクトつくれたと思ったら全く使われない、資金がつきそう、共同創業者がバックレる、メンバーが辞めだす、組織崩壊、、などなど。 力量試されます。 経済環境や法規制などマクロ環境にも左右されるし、自己責任とは言い難いレベルの不運も待ち受けています。
では、起業家はこれを打開するために、何をするか。 やることは一つ。
「自分が今正しいと思うことを素早く行動しそこから学び、次のアクションにつなげ解決していく」 ベタな言い方をすれば、高速でPDCAをまわすことかもしれませんが、仮説立てて、実行し、その結果をみて次のアクションに繋げる。
このスキルは「自分の望む世界を実現する力」とも言い換えられるのではないでしょうか。 人生は当然ながら、仕事の成功だけではない。
プライベートや趣味・家族・住みたい場所、行きたい国、自由な生活、それぞれ各々がもつ、自分のほしい環境をつくっていくうえで、この能力は圧倒的に役に立ちます。

2.個人の魅力の最大化

もう一つ、「魅力の最大化」です。
人の魅力って何でしょう。「魅力」を構成する要素は沢山有りますが、そのうちの一つに「個別性」があげられるのではないでしょうか?
言い換えると、「あなたらしさ」。
「らしさ」は、その人の意思決定・行動・経験から出来ていて、その人を構成しています。この個別性は、自分の興味を更に追求したり、なにかにチャレンジして、自分ならではの経験を沢山しながら自分の価値観やスキルを磨いていくことでしか得られない。

その中で、起業して起きるハードシングスや、仮説をたてアクションしてみつけたものや気づき、知見や経験はあなただけのもの。
挑戦したからこそ見える物事や経験・思考からうまれる人生哲学やその人ならではがぎゅぎゅぎゅっと濃縮されて、その人の魅力としてにじみ出ると考えています。

ファッション起業はやめておけ

一方で、起業は超ハードです。これは短期間で急成長を求められるスタートアップじゃなくても、事業を興して食えるようになっていくには、本当に大変。そして成功する起業は、大体課題解決型です。誰かの課題を解決できているからこそ、人はそこに課金するため、その価値提供を顧客・市場に求められるレベルにもっていくまでに相当な胆力と粘り強さが求められますし、正直人によって向き不向きがあるのも事実です。 ただかっこいいから、だけで安易に起業すると後悔することもあります。

また、大学発研究開発型のスタートアップにもありがちですが、技術が最初にあってその技術を使って事業化したいと考えたときに、どうしても技術ありきになってしまい、顧客の課題に対して本質的な解決策になりえないこともあります。技術はあくまでも解決の方法の一つでしかなく、結局、顧客やユーザーの課題がなければ誰もお金を払いません。つまり、起業はあくまでも手段であって、目的ではないのです。

じゃぁ何が言いたいかというと、、、起業のススメというよりアントレプレナーシップマインド(起業家精神)を持つことのススメです。

アントレプレナーシップをもとう

最近、起業家教育という言葉を耳にするかと思います。果たしてこの教育がどこまで意味があるのか今の時点では全く評価もできませんが(笑)VUCAの時代とも言える今、結局自分の人生は自分で切り拓くしかないですよね。一つの会社に勤めていれば給与安泰でもなければ、高収入な男性と結婚したからって専業主婦も決して安泰が続くとは言い切れない。
だからこそ、自分で切り拓く力を養い、自分が楽しいと思える環境を自分でつくっていくマインドセットが重要です。
人生は大局的にみたら、ポジティブもネガティブも成功も失敗も、その瞬間には評価できない。なので、チャレンジして、うまくいかなかったことも受け止めて、すべて自分の選択を、後から正解にしていくしかない。
ベタですが、失敗は成功のタネ。失敗なくて成功はなし。しかも、その失敗は5年後には大体解決されているし、失言や恥ずかしかったことレベルなら、1年後には自分すら忘れています。
別に、起業しない人・起業に興味を持っていない人を否定するつもりはありません。それが向いていない人もいる。リスクをおいたくない人もいる。楽に生きたい人もいる。どの選択をしてもその人次第ですが、アントレプレナーシップマインドを持ち、色んな事にリーダーシップとって挑戦していくことで、「あなた」という人が、前日よりも昨年よりも、5年前よりもさらにさらに魅力的になっていくのではないでしょうか。
今を思いっきり生きたいと思うのであれば、ぜひ今の目の前のことに起業家精神をもって取り組んでハードシングスを迎えうって、その道程をおもいきって楽しんでください!!

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