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数理的な人材と日本の競争力

 下記の記事のように「数理的な人材」への需要が増えています。今、なぜ今「数理的な能力」が必要なのでしょうか。それは単に人工知能やデータが注目されているからではありません。もっと大きな構造を捉えることが重要です。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42779130S9A320C1MM8000/
 20世紀には、標準的なモノやサービスを国の隅々まで行き渡らせることが事業の役割でした。この時、仕事を「標準化」し、そのプロセスやルールを「横展開」することで生産性が向上しました。そして、標準化されたモノやサービスを提供するために必要な専門能力に分解され、それぞれに高等教育が行われてきました。
 しかし21世紀の社会は「変化」と「多様性」を求めており、画一的なモノやサービスの価値は急速に低下しています。従って、標準的なルールを作り、それを守るだけでは、価値を生み出せません。
 我々は、むしろ恐れず社会が求める「大きな目的」の実現に向け、必要なことは何でも行うことが求められます。まず追求すべき大きな目的があり、大きな目的であるほど不確実なので、問題は複雑になります。特定の専門知識や能力では解けなくなります。それは「私の専門ではない」という態度では何もできないのです。
 だから、数理的な能力が必要なのです。「数理的な能力」は、このような複雑な問題解決を図るときに、人が持つべき力なのです。問題を抽象化し、あらゆる問題の本質を分類を超えて的確に捉える力です。数理的な能力をもって問題を捉えれば、あらゆる社会の問題が、「私の問題」になるのです。そして、今社会が、日本が求めているのは、このような人材です。
 ただ、これからの数理的な人材には、もう一つ重要なことが必要になります。大きな目的ほど、必要な資源は幅広くなるので、企業や分野の垣根を越えた協力が必要です。自らの数理的な力を使い、周りの人たちと「協創」する能力が必要です。この目的から出発し、周りと協力して解決する発想は、これまでの数学や理論物理学で育成してきた人材とは異なります。
 この新しい「能力」をもった人材の育成に成功している国はありません。だからこそ、日本にチャンスがあります。今こそ、国をあげて、このような人材を育成する挑戦に投資すべき時です。

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