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財源足りないから増税だっていうけど、ムダ金使ってない?

防衛費増額に伴う増税の議論が話題ですが…

ついに財務大臣が「防衛増税」なんて言葉まて使い始める始末…。

記憶が正しければ、岸田内閣は当初「所得倍増」なんてことを掲げていたはずなのだが、蓋をあけてみれば、「所得倍増」どころか「増税の話しかしない」内閣だよね。

一応、個人的には、今の世界情勢から見て、防衛費を増やすことはやむなしという意見ですが、同時にこの時期の増税は、それが対個人であっても、対法人であっても経済的な打撃という意味で「どうなの?」と思う。

それでなくても、平均給与が見かけ上あがっていようが、可処分所得は全然増えていないのである。むしろ額面給料が増えたのに、なぜか手取りが減っているという人も多いのではないか?

そんなことを書いたこちらの記事は、ヤフーでも国内ランキング1位になるほどたくさんの方に読まれました。未読の方はぜひ。

所得税が変わらなくても、なんだかんだと社会保障関連費がチマチマと値上げされ、いわゆる非消費支出が増え続けている。結局、可処分所得が増えないから消費支出も増えず、消費をしないから企業の売上も伸びず、企業の売上が伸びないから給料も増えず…という絵に描いたような「負のスパイラル」に陥るわけです。

なんでもかんでも消費税あげればいいや、なんてのがヤバいのはそういうことです。

とはいえ、財源どうするんだ問題っていうのはついて回るわけですが、そもそも論からいって、現在までの防衛費予算というのは、大体5兆円くらいでした。

これを、年間プラス4兆円にしたいというのが今回の政府の方針なのですが、年間4兆円なんて他からもってくればいいんじゃない?と単純に思うわけです。

ちなみに、文科省の予算も年間大体5兆円程度ですが、ちよっと確認しただけだが2006年から5兆円規模は変わっていない(2005年以前は知らん)。子どもの数自体が減っているのに予算が減っていないのはどういうこと?とも言いたくもなるが、子どもの教育にかけるお金は減らして?ならないと思うので、これは据え置きでいいでしょう。

少子化対策白書によれば、これにかかる予算も大体6兆円くらです。うち、子育て支援にかかる予算は5.9兆円なので、少子化対策といいながらほぼ子育て支援対策費なわけです。

子育てを支援することに何の異論もないので別にいいというか、どんどんやってくれていいのですが、毎度言っているように「子育て支援」と「少子化対策」は似て非なるもので、どれだけ「子育て支援」をしてもそれは直接的には出生数増にはならない。少子化対策白書じゃなく子育て支援白書にすればいいのに、と思います。で、名称はともかく、この子育て支援にかける予算も減らしちゃいけない。

予算としてはいろいろあるわけですが、ちょっとびっくりしたのが男女共同参画関連の予算の大きさである。以下に貼ったのは、内閣府の令和3年度男女共同参画基本計画関係予算からのもので、単位は千円である。

9兆6268億円?

え?9兆円?

防衛関連5兆円、教育関連5兆円、子育て支援関連6兆円という中にあって、男女共同参画事業に9兆円?

そんなにいります?てか、それ、本当に必要な予算ですか?防衛より、教育より、子育てより重要なの?

もちろん、この費用の中には、人の命に関わることで絶対にはずせないものもあるでしょう。それは否定しない。また、官僚にしてみれば、個別の事業の予算を積み上げればこうなるというのでしょうが、だとしても、というか、だったら、その個別の事業って、そのお金をかけるだけの意味や成果があったのかをちゃんと明らかにしてもらいたいものです。別にゼロにしろとはいわない。が、本当にそんなにいるの?いるものといらないものもあるのでは?

物事には、優先順位というものがあります。

将来的にやるべきものというものであっても、「それ、今やることですか?」ということは考えて然るべきだし、今までやってきても何の成果も出していないことに、ただ前年の予算実績があるからという理由だけでリピートしていくのは妥当性がない。

言い換えれば、男女共同参画なるものに9兆円もお金をかけているおかけで、世の中の人の可処分所得が等しく減っているのだとしたら、なんかいろんな意味で本末転倒感がある。

増税して足りない分を埋めますとかいう議論の前に、こういう視点で現在の予算が本当に妥当なのかを検討した方がいいんじゃないでしょうかねえ。

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荒川和久/独身研究家・コラムニスト
長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。