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コロナ禍で変化した生活スタイル 見直される「ごはん」と食卓

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

緊急事態宣言も解除となり、外食の再開を楽しみにしている方も多いのではないでしょうか(人によってはお酒でしょうか)。

ここ2年弱続いてきた在宅勤務や夜の会食・飲み会の減少が、自宅での食事を見直すきっかけになったという方も多いようです。私自身も夜は会食ばかりの生活から、家で食事をとる機会がぐっと増えました。また、通勤がなくなったことにより朝の時間に余裕が生まれ、夜に美味しいものが食べられないのであれば朝か昼にと考えることも多くなりました。

在宅勤務の普及や夜の外食機会の減少を背景に、朝食をゆっくり楽しむ機運が高まっている。食文化は社会を映す鏡といわれる。戦後、働き者の日本人は朝の時間のゆとりを失い、朝食を食べない人も増えた。そんな傾向が新型コロナウイルス下で、図らずも見直されつつあるのだ。朝からキッチンに立って支度をしたり、朝食専門店を訪れたり――。忙しい一日がはじまる前、食卓を囲むひとときは、豊かさと贅沢(ぜいたく)に満ちている。

コロナ前は海外出張も多かったのですが、ビジネス上の会食は朝にすることがよくありました。いわゆる「パワーブレックファスト」です。夕方はジムに行ったり、ディナーは家族と取ると決めている方も多く、一番日程調整がつきやすくカジュアルに色々な話ができるのが朝食でした。ちょっと良いホテルのラウンジを予約してそれぞれ好みのものを注文する、というスタイルですね。これの良いところは、その後は出社するという点です。良いアイデアが出たらそのまま社に持ち帰ってチームで検討、午後にはフォローアップのメールができます。ディナーの場合は次の日に持ち越すことになりますし、酔ってしまってあまり覚えていないということも(笑)。

昨日は「ミシュラン 京都・大阪+和歌山 2022」の発表がありました。ビブグルマンに掲載されている「朝食 喜心」はまさに朝食専門店ですし、引き続き3つ星を取得している「瓢亭」も、こだわりの朝粥が有名です。

丁寧な朝ごはんと聞くと、ものすごく手間をかけなくてはいけない気がしてしまいます。「一汁三菜」という言葉があるように、バランスよく手間をかけた料理が正しいのでは。そのようなプレッシャーが家庭料理を苦しいものにしているのかもしれない。料理研究家の土井善晴さんは肩の力を抜いて「一汁一菜」を基本に、と説いています。

日本の食生活は豊かになり、普段からごちそうを食べるのが当たり前のようになってきました。それを家庭料理にも求めます。毎日の食卓に手の込んだ料理を並べるのは大変です。しかも女性にだけ押しつける。多くの女性が仕事を持つ時代にこれはおかしい。

毎日の食事作りが大変と悩む人のためにあるのが一汁一菜です。ご飯と具だくさんの味噌汁、漬物などの一菜があればいい。これを時短料理や手抜き料理と誤解する人がいますが、違います。シンプルですが、素材本来の持ち味を生かして丁寧に作るのです。

日常の食事を一汁一菜と決めてしまえば、食事のストレスはなくなり、もっと気持ちも楽になります。

たとえば新米を土鍋で炊き、出汁をひいた味噌汁に季節の野菜を放り込む。実際にやってみるとそれほど手間ではないわりには、とても滋味深くおいしい。そうでなくても、買ってきたお気に入りのパンと、味噌の代わりにコンソメを使ってスープにしてもいいわけです。

「料理をすることは自然に触れること」と土井さんはおっしゃっています。サスティナブル、SDGsという言葉をよく聞くようになりましたが、私たち一人ひとりができることは、持続可能な幸せとそれをもたらす良き食事なのかもしれませんね。

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タイトル画像提供:Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)

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