北海道系統崩壊について その5 苫東厚真火力発電所訪問記

番外編ですが、2012年にまさにこの苫東厚真火力発電所を視察させていただいた時の訪問記です。

>北海道電力の中で最大の基幹電源である原子力発電の泊発電所(総出力207万kW)は、今年5月5日、3号機が定期検査入りしたのを最後に一切稼働していない。そのため火力発電所設備稼働率は押し並べて上昇しており、一部では定期事業者検査を延期するなどして供給を続けている。火力発電の定期事業者検査は電気事業法によって2年に1回実施することが定められているが、東日本大震災の発生を受け、震災に伴って定期事業者検査の実施が困難な場合(当該発電所の継続運転が必要な場合)は1年間延期できるのだ。これにより知内1号機(35万kW)は来年1月からの検査を次年度に繰り延べし、冬の供給力を最大限確保するという。

 しかし、そうした「無理」をさせている結果は数字となって表れている。北海道電力の火力発電設備における計画外停止・計画外出力抑制の発生件数(4~9月)は、昨年度29件(出力減少平均値14万kW)であったのに対し、今年度は45件(同23万kW)と1.6倍に増加している。稼働率の急増を見れば当然のことだろう。

こうした無理をさせることは、リスクを上昇させることだと何度も言ってきました。ただ、顕在化するまで誰も振り向きもしない。

今回の停電が真冬でなくて本当に良かったですが、それでも自宅で発電機を使用して一酸化炭素中毒で亡くなるという、人的被害も出てしまいました。せっかく搾乳した牛乳もすべて廃棄せざるを得なかった酪農家の方たちが経済的に追い込まれることが無いように祈ります。

http://ieei.or.jp/2012/12/column121212/

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