人への投資も学び直しもいいけれど、もっとシンプルに、「人が人の成長を願う」という繋がりを育みたい。
人に投資するとか、スキルをアップデートするとか、最近、働く人にフォーカスされることが増えていますよね。それはとてもいいことだと思うのですけれど、投資とかスキルって言葉が先走ってしまわないようにしたいですよね。今日はそんな話をしたいなと思います。
まず、そう思ったきっかけをご紹介します。
(私は、大企業の人材にベンチャー企業で働く機会を提供する「レンタル移籍」という事業をやっているのですが、これは「越境学習」と言われる人材育成の仕組みの一つとして、まさに人への投資・リスキリングという文脈でも最近注目をされています。)
この事業をやっていてよく指摘されることとして、大企業の人がベンチャーで働いたら、結局ベンチャー企業に転職しちゃうんじゃないの?ということがあります。でも、蓋を開けてみると、そんなことは全くなかったんですよね。
ではなぜ、人が辞めないのでしょうか?
社外(ベンチャー企業)のことを知った人は、大企業のどんなところに魅力を感じるのでしょうか?
そんな疑問に対して、先日、あるレンタル移籍経験者の方が、「会社の上司や仲間たちが外を見てこいと背中を押してくれたことで、会社とのエンゲージメント(繋がり)が強まった」とおっしゃられていたんですよね。「社外で働ける制度を作ったのでどうぞご自由にと言われただけだったら、こうはなっていなかったと思う」とのこと。
なるほどなー、確かにそうだろうな、と思いました。
外で修行を積んでこいといって背中を押す。それによって成長する。そうしたら、その人は背中を押してくれた人や組織に恩返しをしたいと思う。こういうサイクルが回っているということなんです。こうやって書くと、すごく当たり前のことですよね。
つまり、組織の側が、単に「副業解禁しました」「レンタル移籍を導入しました」といって仕組みや制度を作るだけでは足りないということなんだと思います。
「人的資本経営」という話も詰まるところ同じで、人という資本への投資が投資対効果として良いとか、そんな打算的な話ではないのだろうと思うのです。もっとシンプルに、企業がその会社で働いてくれる社員のために、機会を提供する。社員が、自分たちの会社をよくするために行動する。それを今までよりももっと積極的にやっていこう、ということなのですよね。
ただ、積極的にというのは、予算をかけるとかそういうことだけではないのです。経営や人事がどれだけ一人ひとりの顔を思い浮かべながら、想いを込めてやっていけるかにかかっているのだろう、と思うのです。
昨今の流れの中で、国の予算も投じられて、いろいろな制度や仕組み・機会が増えていくのかもしれません。そんな今だからこそ・・・
人が人の成長を願う。そういうごく自然な感情が組織の中に生まれつづけるように、そこで働く人たち同士の繋がりを育んでいく。それが本質ではないかな。そこを外しては、意味がないのだと思うんです。
では、どうしたらそういう感情を抱けるようになるでしょうか?一緒に働いている人の想いを知る、仕事の枠にとどまらずにお互いに興味を持つ、自己開示をしあう、いろいろなアプローチがあると思いますが、とにかく、もっともっと私たちは対話をするべきなのかもしれません。ですから・・・
「どうしたら、人と人の繋がりを育めるか?」
人への投資もリスキリングも、こんな問いから始めてみてはどうかなぁと思う、今日この頃です。
それでは。
追伸
対話のきっかけとして、自分が何をしたいか?を語れるということはとても大切だと思います。そんなお手伝いもしていますので、ご興味があれば!
さらに話はそれますが、もしわたしたちとそんな繋がりを育みたいと思ってくださる方がいたら、ぜひこちらも!(つまり、人材募集中です!という話です笑)