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ベテラン社員はダイレクト・フィードバックのある挑戦をしよう

今回は、いま日経COMEMOで募集をしている、ベテラン社員のリスクリング、すなわち学び直しについて考えてみたいと思います。

フリーランスに比べてリスキリングが遅れる企業社員

最近、45歳定年という言葉が話題になりました。定年を45歳にすることによって、働いている方々がより真剣に学ぶのではないか。そのような意図で発言された言葉です。

私自身は、45歳定年でなくても、既に多くの方々が真剣に学び直しや、将来のキャリアのことを考えていると思います。そういった意味では、私は働き手にとって厳しい厳しい政策ではなく、むしろセーフティーネットを拡充することで、より自由にチャレンジしたり、学び直せる社会が望ましいと考えています。

一方で、「EDELMAN」による米国のフリーランスに関する調査では、フリーランサーのうち55%は過去6カ月以内にリスキリングに取り組んでいますが、雇用就労者だと30%しか取り組んでいません。また、フリーランサーの方が、仕事がコンピュータ等の影響でなくなることについて危機感を強く持っているという結果が出ています。フリーランスの方が、危機感を持ち、学び直しの重要性を強く意識しているということは言えるでしょう。

その一方で、今安定した大企業に勤めている方々も必ずしもずっと安泰と言うわけではありません。人生100年時代と言われるように、健康寿命が長くなる中で、企業がいつまで雇ってくれるかは不透明になっています。役職定年のような形で、早めに会社を去らなければならない方々もたくさんいます。

終身雇用とは名ばかりで、実際には「終身」とはとても言えないような状況になりつつあります。

ベテラン社員を取り巻く課題

こうした中、ベテラン社員の方々の仕事と学びを取り巻く課題には、以下のようなものが挙げられるかと思います。

①学び直しの時間がない

ベテラン社員になると、責任の多い仕事に就いている場合が多く、時間的には忙しくなります。さらに子育てや、親の介護などが加わり、なかなか学び直しの時間が取れないという方もいらっしゃるでしょう。時間がない場合には、タスクを細切れにするという解決法がありますので、ここでは以下の私の投稿をご紹介しておきます。

②何を学び直せばよいか分からない

上記のツイートでも紹介していますが、リカレント教育の障害の第3位は「自分の目指すべきキャリアがわからない」ということです。今後、自分がどのようなキャリアを築いていけばいいか明確でないため、どのようなスキルを身に付ければいいのかも分からないということです。

③普段の仕事で、自分の成果がわかりにくい

上記の問題とも関連しますが、3番目の問題は、自分の普段の仕事の価値や成果が分かりにくいということもあります。

ベテラン社員の方々は、仕事で行っていることが、自分の成果なのか、それともチームや部下の成果なのか、切り分けることが難しいという側面があります。場合によっては、部下の労働時間を管理したり、成果を評価をすることが仕事の中心になっている方もいるかもしれません。要するに、他者の仕事を評価することが、仕事の中心になってしまっているのです。

この状態では、どのようなスキルを身に付けて、次のキャリアを築いていけばよいのか、検討の糸口が掴みにくいかもしれません。

魅力的なベテランとは

そのような中で、私の身の周りを見渡してみますと、現役バリバリに活躍されている、魅力的なシニアの方々もたくさんいらっしゃいます。これらの方々が行っていることの共通点は、自分個人へのフィードバックがある挑戦をやめないということです。社会のデジタル化の推進に率先してプロジェクトを進めるシニアや、退職後も論文を投稿し、研究費にも果敢に挑戦する研究者などがいらっしゃいます。これらの方々が活躍を続け、輝き続けている秘訣は、自分個人にフィードバックを得て、改善していくプロセスにあると考えています。

ダイレクト・フィードバックのある挑戦とは

ダイレクト・フィードバックのある挑戦とは、自分がやっていることが、価値の受け手にとってどうだったのかどうか、タイムリーに確認することができるということです。また、その成果が部下など他者ではなく、自分自身に帰着するものであるということです。

これは、何も起業するとか、大きなプロジェクトを始めるとかでなくても構いません。例えば、自分が興味のある分野についてブログやSNSで発信するのもありだと思います。発信することによって、どういう内容であれば良い反応が得られるか、リアルタイムに把握することができます。さらに、それをもとに改善することで、どんどん良い内容を発信することができるようになります。

要するに、実社会との自分自身の間で、フィードバックループを回すということです。

こういうフィードバックループを回し続けることによって、自らの手で価値を提供していく活動に手ごたえを感じることに繋がります。しかも、それは世の中にどんどん役に立つ形に改善されていきますので、自動的に将来の自分の仕事につながっていくことになります。

もちろん、プログラミングや語学を勉強するのも良いでしょう。しかし、先に見たように今後のキャリアが見えにくい中、学んだスキルが本当に役に立つかどうか、後から確認するよりも、リアルタイムにフィードバックを得ながら改善していった方が、効率の良いやり方ではないでしょうか。

同時に、世の中に対して自分が役に立っている、貢献しているという実感を得られるという意味でも、活き活きとシニア期を過ごしていけるのではないかと思います。

もう一つメリットを挙げるとすれば、自分が挑戦することによって、同じように挑戦している若い人たちに対しても、横から目線で共感し、勇気づける役割を担うことにも繋がるかもしれません。

最初は成果がそのまま出てきますので、あまり見たくないということもあるかもしれません。しかし、やりがいのあるセカンドライフを送るためにも、自分へのフィードバックを感じられる活動に挑戦してみてはいかがでしょうか。


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#COMEMO #ベテラン社員に学んでほしいスキル

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