世代交代で何が起きるのか=ドイツ・アニメファンイベント
初投稿となりますので簡単に自己紹介から始めます。ドイツ、フランクフルト在住のKatahoです。ドイツのアニメファンイベントに興味を持ったのが1999年。2005年に初参加。2009年から企画協力をしています。日本のポップカルチャーを通じた日独交流について日々、考え、行動しています。今回からスタートするCOMEMOでの投稿では、ビジネスのヒントになるような気付きをシェアできればと思います。
9月に開催17年目となるアニメファンイベント、コンニチに参加してきました。コンニチをご存知でしょうか?ドイツ最大級のアニメ・漫画ファンによるファンのためのイベントです。聞いたことがないという方は過去にオンラインメディア「ねとらぼ」にて拙稿が掲載されていますのでご参照いただければと思います。
さて、今回のテーマは世代交代です。
コンニチは7月27日、「コンニチの将来」と題されたプレスリリースを発表し、実行委員会のメンバーを刷新する旨が告知されました。過去10年以上にわたりイベントを取りまとめてきたメンバーが第一線を去り、組織内でプロジェクトを担当してきた有志2名が2019年以降、イベント運営を主導していくそうです。後進に道を譲った格好ですね。
この新たなツートップは今年、新企画をスタートさせています。今回は、現地にて感じた印象を交えてこの企画について検討してみます。
1)ファン界隈のトーク企画「コンニチ・カウチ」
ファンがファンのために語るという座談会的な企画です。ワークショップや講演と違い、話者はソファ(カウチ)に座って来場者を前にトークをします。アニメや漫画の作品について語ったり、イベント事情だったり、コスプレや「踊ってみた」といったサブジャンルだったりとテーマは多岐にわたります。(個人的には、コスプレでお金を稼ぐ方法についてのトークが興味深かったです。) 全編オンライン配信されるのも特徴のひとつです。
2)「日本研究」、日本文化をより深く理解するために
日本研究者が研究テーマについて講演するものです。作品研究や翻訳における課題といった日本のポップカルチャーに限らず、日本の森についての研究や、LGBT、教育システム、祭りなど幅広いテーマで、筆者が見た限りではどの講演も大盛況でした。
遅れてきたドイツ?
ここまで読んで、お気づきの方もいるかもしれません。特に目新しさが感じられないのです。会場の様子をオンラインで配信するのも、学術的な関心への需要に応える企画も米国などではすでに展開されてきました。しかし、ドイツではこれが新しいのです。
こうした動きを見て感じたのは、日本や米国が通ってきた道をドイツは遅れて経験しているのではないかということです。そして、そのように考えれば、次にドイツで何が起こるのかも予測できるのではないかということです。
イベントスタッフの世代交代はコンニチに限りません。ドイツ各地のイベントでも同様の動きは進行中だと思われます。
世代交代で何がおきるのか? そのヒントは、日本の過去にあるのかもしれません。
© sakaikataho
(座談会企画「コンニチ・カウチ」で行われた日本研究者たちによる講演後の最終討論会の様子。筆者撮影)
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参考情報:
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