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ハイブリッド時代の倍速にならないイベント、倍速で選ばれるイベント

毎年世の中がお盆休みの時期は、9月のデモデイに向けての準備の追い込みです。この2年間、オンラインを中心にしつつ少しずつ会場に人を戻し、ネットワーキングも少しずつ再開。次回の9月のデモデイでは、久しぶりにできるだけ会場にご招待して運営をしたいと思っています。

6月に行った海外カンファレンスで、現地でのリアルなコミュニケーションの熱気って本当に素晴らしいと思い知らされました。そして今回のCOMEMOのテーマを見て、イベントってまさに"倍速で楽しみたい"、ではなく”楽しみたくない”ものだなと思いました。

#日経COMEMO #倍速で楽しみたいこと

コロナ前と比べるとイベントの運営には様々な選択肢があり・・・いや、できてしまったというのが正しい表現かもしれません。以前はリアルが基本、たまにアーカイブ配信や中継があるという感じだったものが、2年間のコロナ禍でオンラインが様々な進化を遂げました。初めは簡単なZoomでのイベント配信が、本格的な機材を用いてスイッチングして、OBS使ってテロップ入れて・・・はたまたスタジオで収録するテレビの番組とあまり変わらないようなものも。

(個人的にいつもUZABASEさんのFORCASの企画、すごいなぁと思ってみてます。ついには古民家・・!)

ここ半年、Plug and Playやスタートアップエコシステム協会のイベント運営で試していることがあります。リアルだけにしてみたり、ハイブリッドにしてみたり。ハイブリッドも同時中継の場合もあれば、オンライン配信は時期をずらして実施してみたり。

イベントの目的にあわせて、どのようなイベント運営にするかを決めて実施しているのですが、オンラインの需要がものすごく高いことに改めて気付かされます。オフラインだけのイベントを実施した際に、敢えてオフラインのみにしているのですが「オンライン配信はないのですか?」「オンラインだったら参加したいのに」と必ず言われます。そのくらい世の中のあらゆるイベントがこの2年間でオンライン化され、参加者はオンラインに慣れてしまったということです。

オンラインイベントがたくさん実施され始めて、複数のイベントを同時に視聴することができるようになり、なんて便利な世の中になったんだ・・・!と一参加者として最高な環境になったと思っていました。今までは、行きたいイベントがたくさんあっても、体は一つ。それが、今は登録していたらアーカイブも観ることができ、早送りして再生できるので、まさに下記の記事の「タイパ」よく様々なイベントを視聴し、情報に触れることができる・・・のがオンラインでした。

確かにオンラインは便利で、そしてなくてはならないものになりました。でも"イベント主催者"としてはなかなか悩ましいものでもあります。元々オフラインでイベントをやっていた時より、オンライン対応のためのコストも人員も必要になるのがハイブリッド時代のイベントです。そして、イベントによってはオフラインとオンラインが同時実施の場合、”ながら参加”が可能なオンラインの方が優先されることがあり、会場来場者がとても少なくなってしまった例も多くみてきました。

そこで前回、3月のデモデイで初めてオフラインのイベントと、オンラインの配信の時期をずらすということをやってみました。実際に視聴データを見て面白いなと思ったのは、全てを見ている人はいなかった、ということです。
オンデマンド配信の特徴は「好きな箇所を好きなタイミングで見れる」選択肢を参加者が持っているということ。オンライン参加の場合は、効率よくスタートアップ情報を収集したいというニーズがあるのではと仮説を立て、スタートアップごとタイムコードを振って、目当てのスタートアップピッチだけを見れるようにしてみました。全体だと2-3時間になるということも要因としてあると思うのですが、仮説通りの視聴データでした。

一方オフライン参加者は、スタートアップのピッチはそのものが重要なのではなく、ピッチを聞いてのコミュニケーションや、会場の参加者とのネットワーキングが重要と考えていらっしゃることもアンケートから改めてわかりました。

オンラインの選択肢がなくなることはないけど、イベントにおけるオンラインの役割も進化したり、主催者も目的に応じて使い分けていく、それがこれからのイベントのあり方なのではないでしょうか。

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