国債を腹一杯抱えた世界の中央銀行

FTによると先進国の6つの中央銀行(FRB、ECB、日銀、BOE、スウェーデンとスイスの中銀)は合わせると、これらの国々の国債の5分の1を保有している。おなじみのお話だが、改めて確認しておくと、これらの国々の国債発行残高46兆㌦のうち、中央銀行保有分は9兆㌦あまりとなる。

総資産が最も大きいのはECBで4.9兆㌦だが、国債保有額は2兆㌦。日銀の総資産は4.53兆㌦と最近FRBを上回ったが、その総資産の85%は国債である。FRBは総資産4.47兆㌦の半分以上が国債である。こうした大量購入は国債の利回りを押し下げた。その結果、世界的に見てここ10年間の債券のトータル・リターン(総合収益)が48.8%にものぼった由。

もっとも債券利回り低下の背景には、中央銀行による国債購入(QE)ばかりでなく、金融規制の強化に伴う安全資産の需要増、経済成長率や生産性の伸びの鈍化、新興国などの高貯蓄といった要因も存在する。従って、QEの手じまいによる債券バブル崩壊という風にはなるまい。そんな見立てである。

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