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住宅ローン減税、控除額や床面積見直しへ 40平米以上の住宅を探すのはトクなのか

政府は住宅ローンの控除額を2022年度にも見直す方針で調整しています。現在は借入残高の1%が所得税から控除される仕組みです。低金利化では変動金利で借りていると1%を切る場合もしばしばあります。そうなると、逆ざやが発生してトクになるという現象が発生してしまうことも出てきます。

そこで、実際に支払った金利分が借入残高の1%に満たない場合は利払い分のみを控除する案が出ています。

また、住宅ローン減税を通常より3年長い13年間受けられる特例措置に関しては、新型コロナ感染拡大を受けた負担軽減策として、原則20年末までの入居としている適用期限を2年延長する方向です。

大きく変わる部分は対象物件の規模を50平方メートル以上から40平方メートル以上に広げるというポイントです。面積の要件緩和には1千万円程度の所得制限を課す案が出ています。これによって、独身、夫婦のみ(子育て前)、夫婦のみ(子育て後)の世帯が50平米に満たない小ぶりな物件を購入した場合も控除の適用が受けられるようになりそうです。

子供が独立をしてライフプランが固まったシニア世代にはよいかもしれませんが、単身、子育て前夫婦にとって住宅購入はリスクにもなります。結婚、子供の誕生、二人目の誕生などによってライフプランが大きく変わるからです。

床面積の緩和要件は朗報ではあるものの購入する場合、広告費で割高な新築を避け、できるだけ駅近などでいざとなったら貸したり売ったりできる物件を選ぶことも考えられます。

また、パンデミックで自宅で仕事をしている人もいるでしょう。自営業の人は賃貸で自宅の一部をオフィスにしていれば経費として認められる場合もあります。つまり、賃貸のほうがトクな場合もあるのです。

また、相続の際にも家なき子特例が利用できる場合があります。持ち家のない相続人が小規模宅地等の特例を使い、亡くなった親などの住んでいた家の土地を相続すると、土地の評価額を8割も下げることができ、大幅な節税につながるのです。

自営業でもなく、近い内に住宅を相続する予定もないという人の場合、住宅を購入するほうがよいのでしょうか。住宅を購入する場合、その物件にずっと住み続けるのであれば賃貸よりも数%安くなる場合もあります。ですが、自由に引っ越しができないなど住宅に縛られることがデメリットとなります。

東京23区のマンションの㎡単価変動率は2007年と2019年を比べると30%程度上昇しています(不動産経済研究所 首都圏マンション市場動向)
。今から購入をして値段が上がるかは未知数です。控除や金利の低さに踊らされずにしっかりと見極めたいところです。


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