立ち止まって考えたい。
現状の相場を踏まえれば、当然、こうした記事が出るかとは思います。とはいえ、最近の正常化ブームは今一度、立ち止まって考えたいところです。以下、現状認識です:
①FRB:基礎的経済指標が予想に負けることが多くなっている。特に与信周りの計数は弱めとなっていることは心配。新車販売はピークアウトが鮮明。
②ECB:HICPは見通せる将来において+2%に届かないとECB自身が予想(18年は+1.6%、19年は+1.7%)。この状況からのユーロ相場続伸は容認しない可能性大。
③BOE:そもそも利上げの動機が他中銀とは異なる。スタグフレーション対策としての利上げでその通貨を買い進めることは正解なのか?中長期的には経済への自傷行為となる可能性が高いのではないか?
④BOC:これから物価が上がる、というロジックに基づき予防的なアクションを模索している模様だが、何故そう考えているのかが今ひとつはっきりしない。FRBに似ている。しかも、原油価格の動静に依存する部分が大きそうであることも不安。
「金融政策の正常化は実施するかどうかの問題ではない。いつ、どのくらいの速さで、どの水準まで実施するかの問題なのである」という表現は随分踏み込んできたなと思いますが、そもそもBISビューは「幸せの次は必ず不幸になるので、自分から不幸せになろう」という主張です。総論として予防的緩和は正しいように思いますが、それは中央銀行の予測能力が必ず市場参加者に勝るという前提に立っています。そうではないことは歴史が示しているはずです。
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO18443640U7A700C1000000/?dg=1
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO18443640U7A700C1000000/?dg=1