「自治体ビジネスは難しい」と言われる理由
日経COMEMOのKOLをしております、大林です。60,000名以上が実名顔写真付きで登録する複業マッチングプラットフォーム「複業クラウド」を運営する株式会社Another worksの代表をしております。
今回のテーマは、「自治体ビジネス」。
近年、民間企業に社会貢献や企業の存在意義が求められる動きが加速し、国全体が官民連携を後押しする傾向が見られます。日経の記事でも、政府の掲げる「新しい資本主義」の柱の1つに示されている「官民が連携した社会課題の解決」について度々取り上げられています。
日本全体で官民連携が叫ばれる一方、民間企業の視点では「自治体との協業はハードルが高い」「自治体からのマネタイズが難しいため踏み出しきれない」、そう思う方が多いのではないでしょうか。
弊社では、民間企業様1,000社以上にサービス展開をしつつ、創業2期目から自治体向けのサービス展開に踏み切り、有り難いことに2年半で自治体の5%以上、90自治体以上に導入いただいています。
そこで、これから自治体ビジネスに乗り出そうとしている企業の皆様へ、サービス展開のポイントを徹底解説していきます!
社会性とビジネスは両立させるべき
前提として私は、社会性とビジネスは両立して然るべきだと考えています。
私が経営する上で非常に大事にしている言葉の1つに、二宮尊徳の『道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である』という言葉があります。道徳や社会性と経済性を両立した上でビジネスはすべきだという意味です。
日経でも、取り組みのコストに対し、何倍の効果が得られるかを算出し、社会に与える影響の大きさ(インパクト)を数値で示す「インパクト評価」の広がりを紹介しています。社会性のある事業を実施することではなく、実施後の効果が重要視されており、このような評価手法が注目を集めています。
民間企業が社会貢献を目的に自治体ビジネスをスタートするケースがありますが、永遠にボランティアで、経済性を出さないことが必ずしも美徳ではないと考えています。もちろん、パフォーマンスで自治体ビジネスをスタートするのは言語道断です。経済を循環させながら、日本・世界へ大きな波及力を持ちながらビジネスを作っていく、これは欠かせません。
自治体ビジネスが難しいとされる2つの要因
では、なぜ自治体ビジネスは難しいと言われているのか、要因は2つ挙げられます。
まず、民間企業とは全く異なる予算フローである点です。自治体ビジネスをスタートし、行政から予算をいただこうと考えたとき、最初に躓くポイントが予算フローです。民間企業と自治体では、全く予算策定時期・予算の稟議フローが異なります。
決められた期日に、議会での説明責任を果たしながら、平等な入札制度によって予算を配分していく、これが自治体の仕組みです。民間企業との違いを踏まえ、(次年度を見越した準備期間など)精度高く事業計画を立案していく点が非常に難しく、頓挫するケースがよくあります。
次に、前例主義である点です。有償での導入においては、「自治体内での成功事例」と「他自治体での成功事例」の2つの成功事例が求められます。これは自治体ビジネスをスタートしたての企業にとって、非常にハードルが高いと感じてしまうのではないでしょうか。
では、なぜ2つの成功事例が求められるのか。それは、行政の”税金を使って予算を投下していく”という特性にあります。我々も普段から納めている税金。行政は、住民から集めたお金を1円も無駄にせず、住民サービスの向上に繋げています。つまり、投下する予算が住民サービスの向上に繋がる確証が必要なのです。
自治体ビジネスを始める”意義”が最重要
自治体ビジネスはすぐに成果に繋がるわけではありません。そんなとき、欠かせないのはなぜやるのか?という”意義”です。
会社のミッションや大義の実現において必要であるか否か。戦略的に思考し、必要であるならば強く覚悟を決め、自治体ビジネスをスタートしましょう。我々は「複業の社会実装を実現する」を会社のMissionに掲げ、この大義のもとに日々活動しています。この大義を実現するため、民間企業だけではなく、行政への複業登用は欠かせないと考え、2020年8月、創業2期目に自治体ビジネスに乗り出しました。
ここまで、「自治体ビジネスは難しい」と言われる理由について、私なりにお話してきました。自治体への事業展開ノウハウは、また別のnoteでもご紹介していきますので、今後も是非チェックお願いします!
大林 尚朝 / NAOTOMO OBAYASHI
◆NAOTOMO OBAYASHI 公式ページ
◇複業クラウド(民間企業/複業をしたい個人の皆様向け)
◆複業クラウド for public(自治体様向け)
本noteを読んでくださったあなたにおすすめの記事はこちら