企業広告が6秒でスキップされてしまう時代に、15分注視される広告とは?
昨年末発表された日経トレンディ24年度ヒット予測1位は「ドローンショー&空中QR」でした。まだリアルで見たことがなかったのですが、昨日見てきました。(4Kで全編撮ってきたのでどうぞ)
この企画は、ロート製薬が大阪に次いで東京で開催したものです。僕は初めて生でドローンショーを見ましたが、すでに国内では多く開催されているようです。
初めて肉眼で見た感想ですが、お世辞ぬきに感動しました。ネットの記事や動画のように「はっきりは見えないんだろうなぁ」と思っていたところ、想像以上にくっきり見えたのは、驚きでした。
今回観覧会場の「豊洲公園」は、商業施設「ららぽーと豊洲」の目の前。19時開始の時間帯には、多くのファミリー客が集まっていた。
僕が撮影した冒頭動画には、BGM音楽がはいっているが、この音源は、僕の観覧した場所付近のPA1箇所からしか流れていなかった。(その場の関係者の方に聞いた。)
今回、「ドローンショー」という形なので、ドローンの作り上げる「視覚的」な演出だけでなく、「音」との連動が1つの見所でもあった。今回、かなり広域から視聴できる環境にあったが、どのあたりのエリアまで「音を楽しめていたか?」は、僕の位置からは知り得ることはできなかった。
今回、観覧客のほとんどが、豊洲の地元民だったと思われる。どうやってこの企画を認知したのかも気になるが、会場来場者の会話をチラ聞きする限り、「主婦友だち同士の口コミ」が影響が大きそうな感じであった。(事前の飛行テストとかあったのかな?)
また、僕と同じような「業界関係者」の同僚との視察も散見された。
驚いたのは、このnoteタイトルにしたように、ドローンショーは、その珍しさから、「企業広告」が嫌われスキップされる時代に、数百人規模の観客が15分もの間、寒空のもと、自身のスマホをかざし、広告を注視し、友人たちと楽しみ、かつ、自身のSNSにも投稿する、という状況を作り出していることである。ある意味、エリア的制約がある体験なので、LBX (Location Based eXperiences)の1つかもしれません。
このnoteを読んでいる企業のマーケティング担当者さんたち。媒体を問わず、自社の広告を生活者に15分見せ続けられることができますでしょうか?
スマホの画像バナー、動画。OOH・テレビ/ラジオCM・新聞広告・雑誌広告。よっぽと手の込んだプロダクトプレイスメント広告でも、商品自体の露出はわずかで、1商品メッセージの15分の凝視は、困難かと思います。
(広告を凝視してもらうことが、「目的」ではなく、最終的には、ブランドや製品への関心喚起、購買・継続利用・愛用・・・と、本来の目的を忘れちゃいけませんが。)
ライブや映画などのエンタテイメントや、アートへと昇華したコンテンツであれば、人々は、長時間没入したり、熱狂したり、シェアされたりしますよね。今後ドローンショーのような、エンタテーメントやアートと同化した企業広告が増えてくるかもしれません。
最近では、アドビさんのこの作品が話題となっていましたよね。
2019年、サントリーさんとあさぎーにょさんの19分の作品も僕の記憶残っています。
今回のドローンショー。制作コストや行政への申請・許諾以外に、気象条件という自責でコントロールできないハードルもある中、企画実行を行っているチームさん、すごい。ちょうど昨日、大阪開催での開催において「大阪広告協会賞」をされていました。おめでとうございます。
余談ですが、こちらの記事では、発射前に待機するドローンが見れます。
「ドローンショー」見てみたい!という方。5月、6月に友人が主催する大型イベント(有料)があります。気になる方はぜひ。
2024年が始まってまだ3ヶ月。年内これからどんな「ドローンショー&空中QR」が楽しめるのか。可能な限り現場に行って体験していきたいと思います。
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