自律的なキャリア形成には、「ポータブルビジネススキル」の獲得こそが肝だと思う話
こんにちは、リデザインワーク代表&ベーシックCOOの林です!
ニューノーマルに向けて、ジョブ型、企業内公募、副業、リスキルなど様々なテーマが議論されたり、施策推進がなされています。
僕自身も、年功序列、終身雇用の従来型の日本企業において、中長期戦略や人事戦略のコンサルティングをしたり、スタートアップの経営もしている中で、改めて、共通して「ポータブルビジネススキル」の獲得が非常に重要だと思っています。という話を書いてみます。
行動と成果を生み出す構造
まず、成果を生み出す構造の整理をしたいと思います。
ビジネス上で成果に直接影響を与えるのは、どのような行動を取ったかだと思います。また、その行動は何によって形作られているのかを考えると、大きく4つの層に分けられると思っています。
・性格/基礎能力
ー対人面、課題解決面に関する性格的特性
ー言語的能力、数量的能力など
・マインドや指向性
ー積極性、協力性、学び続ける姿勢、当事者意識など
・ポータブルビジネススキル
ーどの業務でも必要とされるビジネススキル
全体俯瞰力、情報分析力、仮説設計力、論点整理力、関係性構築力など
・職種専門性
ー特定の職種・業務で必要とされる固有の知識や技術
と整理をしています。
図の下に行けば行くほど変えるのが難しいため、採用マッチングにおいては、採用する側もされる側も、性格やマインドなどをしっかり見て、お互いに合う人材なのかを見極めることが非常に重要です。
従来の日本型の企業だと、会社が異動を決め、職種や働く場所などが変わっていくキャリア形成が一般的でした。また、スタートアップでも、状況が刻々と変わる中で、一人ひとりの役割が柔軟に変わっていくことも多いです。
その中で、職種専門性が高まらないという問題もあり、「ジョブ型」雇用についての議論が盛んにおこなわれています。
もちろん、それ自体は正しい方向性だと思いますし、進めていく必要があると思っています。
一方で、さまざまな組織を見てきて、たくさんの人の仕事ぶりを見てきて、
仕事ができる人、実効性の高い組織を率いている人に共通するのは、
「ポータブルビジネススキル」であると感じることが多かったので、
そこについて触れたいと思います。
ポータブルビジネススキルが重要な理由
人材輩出起業と言われているリクルートですが、僕もリクルート時代に直接仕事をして、よく知っている人たちだけでも、50人前後は起業や、ヘッドハントなどによって経営者として活躍しています。
面白いポイントは、活躍している領域がリクルート時代で活躍していた領域と異なる人が多いということです。リクルート時代は住宅領域にいたが、現在はヘルスヘア領域で活躍している。結婚領域で活躍していたが、EdTech領域で活躍しているなどです。
共通しているのは、職種専門性や領域専門性よりも、ポータブルビジネススキルが非常に高いということです。そして、それは意図して磨いている人達でしたし、リクルートはそういう集団だと思います。
下記にリクルートで掲げられているポータブルビジネススキルを掲載しています。
※日本の人事部記事から抜粋
上長とメンバーの1on1の中でも、お互いに、課題は、「仕立てるのプロセスを作りこむ」だよね。なので、今の仕事をこういう風に工夫したり、挑戦して磨いていこうという会話をよくしますし、今でもよく現役リクルートの人のキャリア相談に乗ることも多いのですが、
その際にも、伸ばしたい強みは何?って聞くと、「見立てるの構造と俯瞰」
なんです。と答えが返ってきます。これは本当にすごいことだなと、外に出てみて改めて実感しています。
ベーシックでは、ポータブルビジネススキルを意識した推奨したい行動特徴を設定して推進しています。
仕事で成果を上げるために
・手段に振り回されずに、目的を見据えて逆算でプロセス設計して推進する
・何を検証したいかを考え、仮設設計し、学びを最大化する
・チーム全体最適で、自分が何をすべきかを考え、チームを鼓舞する
こういう行動を求めています。
また、この実現を推進するためのポータブルビジネススキルの向上が必要だと思い、クリティカルシンキングやファシリテーションの研修なども試しているところです。
ジョブ型を推進することで、職種専門性を高めることに注目が集まっていますが、個人的には、ポータブルビジネススキルが高い人は、どこに行っても活躍できますし、組織的な成果も高まると思っていますので、ますますビジネスポータブルスキルに注目が集まると思っています。
日々仕事をする中で、ビジネスポータブルスキルを狙って育てていきましょう!
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