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ドイツ選挙は財政政策緩和の分岐点

ドイツ総選挙である9月26日が近づいている。いくつかの世論調査を見るとSPDがメルケル首相の属するCDU/CSUをリードしており、行方は混とんとしている。SPDはショルツ財務相の任期にあやかって、支持率をあげている模様である。

とはいえ、圧倒的に強い政党はなく、いずれにせよ連立が必要だ。党を代表するカラーの組み合わせが国旗と重なることから、「ジャマイカ」連立か、「信号」連立が有力と言われている。それぞれCDU/CSU+緑の党+FDP(黒・緑・黄色)、SPD+緑の党+FDP(緑・赤・黄色)の組み合わせである。ほかにも、同様に「ドイツ」連立や「ケニア」連立などいろいろあり、選挙後もどういう組み合わせで連立されるか次第では政策も変わる可能性がゼロではない。

2017年の総選挙後、新政権誕生までには約5か月かかっている。今回もその可能性を排除できないものの、ちょうど年末を挟むことから、暗黙の期限が年末に置かれる期待がある。ドイツにはフランスが1月に欧州理事会の輪番制の議長国に就任するのに続き4月には大統領選挙を実施するため、その前に新政権を樹立しておきたいという思惑もある。

とはいえ、どういう組み合わせになろうが、財政政策が従来より成長志向型になると考えられることに注目したい。財政政策に関する国家的議論の変化に加えて最近の水害もそれに拍車をかける。また、CDU/CSUが野党となった場合、債務ブレーキの正式な改革の可能性が低下することも見ておきたい。借入による投資が増えるなどドイツ国として、財政規律が緩む可能性が出て来る。そうなれば、欧州の多くの国が望むユーロ圏の財政ルールの緩和についてもドイツは受け入れる可能性が出て来る。この点はCDU/CSUに比較し、欧州に好影響となると考えられる。EU財政の枠組みはNGEUで格段と進んだことに平仄が合う。

ただし、こうした状況が続けば、必ず財政規律の緩みから欧州各国の格下げリスク、債務リスクが台頭することも合わせて見ておく必要がある。目先ドイツの総選挙と連立に対する不透明感でスプレッドがワイド化すれば投資機会だが、その後の財政規律の緩みは気を付けておくべきリスクであることも頭に入れておきたい。


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