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中国の自動車企業がいきなりマスク生産へ転身した秘密

中国にたくさんのマスクを寄付した日本がマスク不足になってる。転売屋のせいもあるのかもしれませんが、必要数が足りていないのは明白で、政府も企業も努力されているようですね。

この流れは中国でもありました。コロナウイルス感染の広がりが日本より1ヶ月ほど早かった中国では、様々な工場がマスクや防護服の生産に急転身し、防護物資不足の解消に貢献しました。

最も代表的なのは、上海自動車グループの「五菱汽车」。日本のみなさんの多くは中国車メーカーはあまり聞いたことないと思いますが、中国に来たことがある人なら一度は見かけたことがあると思います。

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(写真がちょっとボロいですが)これが中国で最も売れたモデルだと思います。

彼らの転身はとてもはやく、2月6日には「五菱汽车」はマスク生産体制が整ったと発表しました。

工場が生産ラインを改装し、1日200万個の医療マスクが生産できるようになりました↓

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マスクにはちゃんと車のロゴをチャームポイントとしてつけてる↓

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そして初期は商品として出すのではなく、清掃労働者や警察官など第一線で働いてる人たちにきちんと届けました、素晴らしいです↓

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また、Huaweiの仕事復帰をサポートしたことも話題になりました↓

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なぜ車工場が素早くマスク生産に転身できたのかわかりますか?

その理由の一つは、医療マスクの原料であるポリプロピレンが車の防音ウールの原料として使われていたから。

「五菱」は、自社の車に利用していたポリプロピレンの提供業者「德福特」と共同でマスクの生産ラインを用意しました。具体的には、原料を大量に持つ德福特の工場を無塵化し、マスク生産用の生産ラインに改造。4つのN95マスクの生産ラインと8つの一般医療マスクの生産ラインを作りました。

さらに、「五菱」は正月休みにも関わらず、生産者や管理者などプロのスタッフを揃え、迅速かつ安全な生産を実現。結果としてたくさんの中国人の命を救い、すばらしい社会貢献となりました。

そして、コロナウイルス感染拡大防止の必需品の生産を始めたのは「五菱」だけではありません。他にも大きいところですと

・国産新エネルギ車大手の「BYDグループ」が消毒用品の開発・生産
・ホンダと提携する「広州自動車グループ」がマスク生産
・国産靴大手の「奥康」がマスクや防護服の生産
・紳士服大手の「红豆」がマスクや防護服の生産
・寝具大手の「水星家纺」がマスクや防護服の生産

取り組んでいます。

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↑寝具メーカー「水星家纺」の防護服生産工場

3月2日に中国国家発展改革委員会の発表によると、現在中国はN95マスクを含め、1日当たりのマスク生産量が1億個を突破したとのこと。北京でもまだまだ品薄状態ですが改善が期待できそうです。

そして世界のみんなの救世主として、コロナ感染が拡大している地域(まずは日本、韓国、イタリア)などに出荷できたら素晴らしいなと思います。世界の工場と言われてきただけの力があります。

ちなみに、マスクは生産ラインで作られてから14日間置かないと出荷できないルールだそうです。だから店頭に並ぶまで意外と時間かかちゃうかも。

(参考資料)
https://www.d1ev.com/kol/109009


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