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実際に複業をして分かった5つのコツ #複業の教科書

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前回、第9回はコチラからどうぞ。

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第4章:実際に複業をして分かった5つのコツ

複業のコツ1:複業は身近で小さな一歩からはじめる

 ここまで「複業の始め方」を理論ベースでお話ししてきました。
 ここからは実践編。
 具体的な体験談から、そのプロセスを追ってみましょう。

 ここで伝えたいのは、〝複業のはじめの一歩〟はとても身近かつ小さなステップで大丈夫ということです。

 むしろ小さな歩幅で始めるほどに成功確度は高まります。

「複業を始める」というと、念入りな準備やそれなりの覚悟が必要だと考えがちなのですが、決してそんなことはありません。何を隠そう、僕自身が会社員時代に複業を始めたきっかけは、「キャリアプランのつまずき」でした。

新卒で配属された部署は、必ずしも自分のやりたい仕事ではない

 小学生の頃に父と離別し、女手一つで母に育ててもらった僕は、大人になるまでにさまざまな社会の歪みを自分事として経験し、「日本の世の中をもっと明るくしたい」「将来の自分の子どもたちが希望を持てる社会にしたい」という思いを強く抱いていました。

 そして、学生時代から、NPO法人ファザーリング・ジャパンに学生インターンとして参画し、父親の育児支援活動もしていました。

 また、後にワーク・ライフバランス代表となる小室淑恵さんの勉強会に参加し、「働き方を根本から変える事業をゼロから起こす仕事にチャレンジしたい」という夢を膨らませていたのです。

 しかしながら、当時の僕にはゼロから事業をつくるスキルやアイデアはありません。そこで、まずはしっかりと事業開発の力を身につけられる会社に行こうと、人材紹介最大手のリクルートエージェント(現リクルートキャリア)に就職したのでした。

 同期14人の配属先はほぼ全員が営業部門。

 新人はまず営業で仕事の基本を身につけよ、というよくある会社方針です。

 それ自体には僕も納得し、「よし、3年くらい営業で実績を積んでから、事業開発部門に異動を願い出よう」と目標を描いていました。

 ところが……。

 入社して数カ月経ったある日、僕はある事実に気づきました。

 周りを見渡してみると、営業で頑張って成績を出した先輩は皆、〝営業畑〟の出世コースを進んでいるという事実に。

 つまり、営業リーダーから営業マネジャー、営業課長から営業部長、さらに営業本部長、そして営業担当役員というコースを歩んでいくのです。

 目の前の仕事を頑張れば頑張るほど、営業マンとして評価され、営業マンとしてのキャリアのハシゴを上に、上にと登っていく。

 稀に異動で別の職種のハシゴに飛び移れることもあるものの、それは本当にレアケースでしかない。

 僕が本当に登りたい事業開発のハシゴと、今足をかけている営業部門のハシゴは別物なのだ。

 しかも、この2本のハシゴは、簡単に飛び移れる距離に置かれていないもの、ということに気づいたのです。

 運良く異動できたとしても、いつになるかはまったく分からない。そのときが永遠に来ない可能性のほうが高い。そう考えると、僕は会社にいる意味を見失いそうになりました。

転職ではなく、本業をしながらやりたい仕事に近づく

 転職するしかないのか――。

 そんな迷いがよぎった頃、スタートアップを立ち上げたばかりの知人から「役員として参画しないか」という誘いを受けました。

 会社規模は小さくても事業開発の経験ができるのなら、そのほうが目標への近道なのかもしれない。

 そう思った僕は、転職する気持ちを半分以上固めて妻に転職を相談したのですが、思いがけず大反対を受けました。

「あなたは本当にリクルートでやりたかったことをやり遂げたの? 中途半端な動機なら、私は賛成できない」

 僕は反論できず、しぶしぶ転職を断念。

 当時は「くそー、なんで止めるんだよ」と、〝嫁ブロック〟を受けたくらいの気持ちでいましたが、今考えると妻の意見はごもっとも。その後の僕にとってプラスにしかなりませんでした。

 嫁ブロックどころか、〝嫁アシスト〟だったのです。

 転職という選択肢がなくなった僕が次に考えたのは、「本業で成果を出しながらも、事業開発のトレーニングとしてできることを探そう」というアクションでした。

 今思えば、これが僕の複業への第一歩なのですが、当時は「複業」という発想もなく(「副業解禁」の議論すら生まれていない時代でした)、ただ自分の活路を見出すための行動だったのです。

 具体的に何を始めたのか。

 僕の場合は「ブログメディア」でした。

 なぜなら、ブログメディアは僕にとって最もハードルが低く、〝得意〟や〝好き〟を活かせるアクションだったからです。

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