インターネット時代こそリアルな“現場”に価値がある
先日、おかげ様で創業から7年間を無事に経過することができました。ありがとうございます。新しい価値提供を通して社会を良くしていく新しいチョコレートブランドとしてMinimal - Bean to Bar Chocolate -は2014年に立ち上がりました。そんな節目に自分たちが信じる新しい価値の源泉はどこにあるかを考えてみました。
全てのもののコモディティ化するスピードが加速
ブランドやものづくりにおいて価値はアウトプットで決まります。大量消費大量生産の時代は、良いものをいかに安く提供することに価値がおかれていました。
価格競争が起こり、質の良いモノを1円でも安く提供できるところが勝っていました。しかし、今はそのレベルが上がりきってしまっている時代に突入したのだと思います。その結果、アウトプットの差というは昔比べて相対的に小さくなっていると思います。そして、価格を安くすると言うことが極限まで突き詰められており、その土俵の勝負をするにはある一定以上の規模と体力が必要になります。
情報化社会で、情報の非対称性がなくなる時代において、この傾向はますます進むと思います。なぜなら、情報へのアクセスが高まると質を高める、価格を落とす方法をすぐに模倣されると言うことと、相対的に質が低いものはすぐに情報が出回り淘汰されてしまうからです。
洋菓子のトレンドも少し前は3年間くらいの周期でしたが、今は1年間も持たないという肌感覚になってきています。
価値の源泉はどこにあるのか?
全てのモノのコモディティ化のスピードが加速化している世の中で、価値の源泉を求める方法論の一つとして、プロセスを開示する事で差別化をするという考え方がプロセスエコノミーとして書籍になっています。クラウドファンディングなどが世の中に定着しているのはまさにこの流れの証左でしょう。この流れはますます加速するでしょう。
差別化の価値の源泉をアウトプットに置くのか、プロセスに置くのか、はたまたその両方かという議論では無く、情報化社会におけるブランドとしてアウトプットを含めて差別化していく、お客さんにファンになってもらうための価値の源泉はどこにあるのかをMinimalの7年間を振り返って考えてみると、それは“現場”であったと言えます。
情報化社会における“現場”の意味
大量生産時代の“現場”はいかにムリムダムラをなくして、効率を上げてコストを下げるかを行ってきました。その結果のカイゼンの文化は日本が世界に誇るものづくり産業の象徴となりました。
もちろん、“現場”のカイゼンは大前提としてどのブランドにも大切なことですが、私は情報化社会においての“現場”というのは未来の価値の源泉を探す場所であると考えています。
差別化の源泉は“現場”に有ると思います。
Minimalの事例で、私がそう考えているわけを見ていきましょう。
“現場”の価値①:トレンドを知る
ありがたいことに、Minimalは日本のBean to Barチョコレートブームの先駆けや先駆者と言って頂けることが多いです。その理由は2014年という早い時期にBean to Bar事業の始めた事が大きな要因です。
実は当初はブランドローンチの時期は2015年中と考えていました。しかし、私が2014年6月~からアメリカとヨーロッパのBean to Barブランドを実際に視察し、“現場”をみた事で、「世界の潮流は確実にBean to Baにきてる、そして、2015年2月バレンタインには確実に日本にもその流れがくる」と確信して、8月末の帰国を1ヶ月早めて7月末に帰国して、14年12月ローンチとして早めてブランドをローンチしたのです(それでも今思えば無謀なスケジュールでしたが・・・笑)
もちろん、日本にいる時にBean to Barチョコレートで起業を決めているので、情報はインターネットなどで取っていましたが、これは実際にアメリカやヨーロッパの“現場”に行き、話を聞き、実際にお客さんの楽しんでいる情報を生に触れないとできなかった決断であったと思います。
“現場”の価値②:問題と解決のヒントを知る
上記の世界Bean to Barチョコレートを巡るの旅の中で、私はアメリカやヨーロッパですでに始まっていたBean to Barチョコレートの板チョコをたくさん買いたくさん食べました。
その中で消費者としてペインに気づきました。
それは板チョコレートの形です。多くのブランドが基本的に形は同じで、そして分厚い。これはシチュエーションや気分、食べたい量などを調整できず、どれだけ美味しくてもTPOを選ぶなと一人の消費者として痛感しました。
その解決策として、Minimalの象徴的な板チョコレートのデザインです。これは食べ方のUXをデザインするという世界でも恐らく他にない発想で、気分やシチュエーションはもちろん、食べる部位での香りや味わいの違いを考えてデザインしました。
Minimalはローンチから安易にスイーツを出す事無く、板チョコレートをシグニチャーとして売上を上げてきました。もし、私が消費者の立場で“現場”でたくさん板チョコレートを食べるという事をしていなければ、今のデザインにもたどり着いていないし、板チョコレートを食べる体験を豊かにできてなかったと思います。
“現場”の価値③:未来を考えるきっかけを知る
コロナ禍になる前、私はカカオ生産の“現場”である赤道直下のカカオ農園に年間4ヶ月程度自ら足を運んでいました。
経営者でありながら、年間の4ヶ月もWifiも通っていないジャングルに行くというのは合理性があるかというと・・・正直なかなか説明ができないと苦しく思いますw
しかし、私は産地に自らが行く事はとても重要であると思っています。それはMinimalのブランドの稀有性や差別化要因、そして未来の戦略を大きな影響を及ぼしているからです。
実感値としてはカカオ産地という“現場”に行く事で、
「今チョコレートの世界で何かが起こっているのか」
「世界はどこに向かっているのか」
という少し先の未来を肌で感じ、実感を得ることができるのです。
それをMinimalというブランドの最高意思決定者の経営者が感じる事はブランド戦略を考えていく上で、判断に圧倒的な差別化を生むと考えています。
“現場”には事業をやるWhyがある
最後に私がMinimalの経営者として7年間学んだ一番の事は、“現場”には事業をやる根本的なWhyが有ると言うことです。
7年前に小売未経験で店舗に自ら経って接客して、多くのお客さんに「美味しい!」と喜んでもらった経験。
職人と毎晩遅くまでにチョコレートを試作をしたり、試作品を吐くほどたべて一切の妥協をせず商品開発した経験。
カカオ農家と一緒に寝食を共にして、良質なカカオ豆を開発した経験。
“現場”に居続ける事で、やりたい事が無かった私に、“現場”は一生を賭けて成し遂げたいと思える事業とその理由を与えてくれました。
差別化や価値の源泉と小難しく書いてきましたが、“現場”には熱があり、その熱が私の人生を確実に豊かにしてくれたという事が、私が“現場”を大事だと思う一番の理由かもしれません。
インターネットが発達して格段に便利になりました。正直ネットがあれば何でも情報は知れるし、不便を感じる事も少ないですが、だからこそインターネットの時代に“現場”の意味や価値はますます高まっていくと思います。
これからも“現場”を大事にMinimalとチョコレートの新しい未来を描いていきたいと思います。
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スイーツからMinimalを知ってもらう機会も多くなっていますが、Minimalの原点は板チョコレートです。板チョコのデザインも見てもらえるので、ぜひ板チョコを手に取ってみて下さい!
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