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まずは遊ぶため

10月25日、東京ビッグサイトで「モビリティショー」が開幕しました。25日は自動車メーカー各社のトップが最新のEVなどを発表し、報道でも取り上げられていましたね。自分も開幕日にお邪魔させてもらいました。

今回、「モーターショー」から「モビリティショー」に名前を変更したわけですが、新車のスペックを競い合うクルマ産業のコンベンションから、移動技術の展示会へのシフトを感じることができました。日経新聞でも「車の枠を超えた技術結集」という記事で紹介されていましたね。

その中で、自分がコレは面白いっ!と感じたのが、三精テクノロジーズが開発した4足歩行の移動ロボットです。

4人乗りでわざと揺れるらしい

ちなみに三精テクノロジーズは大阪の会社で、ジェットコースターや劇場の舞台装置などエンタメのための装置を多数手がけているそうです。1970年の大阪万博で日本で始めての動く歩道を開発したのもこの会社さん。さすが、面白いことを考えますね。

自分の世代だとおもわずスターウォーズの「帝国の逆襲」に出てくる帝国軍のAT-ATという四足歩行の装甲兵器を思い浮かべてしまいました。名前もSR-02ってスターウォーズっぽいし。電気で動いてコントローラーで制御するそうで、まだ実用化に向けたプロトタイプということですが、おもしろいのはこのマシンは移動の利便性とか効率性を考えて生まれたモノではなく、単純に遊具として開発されたってことなんです。

具体的にどう使うかはこれから考えるとのことで、メーカーサイドでは今のところスポーツの応援とか、ゲームやパフォーマンスのために使えるんじゃないかと考えているそうです。

目的が決められてないってところが面白くないですか?

ムダから生まれたイノベーションいろいろ

スティーブン・ジョンソンという人が書いた「世界を変えた6つの気晴らしの物語」(朝日新聞出版)という本があります。現代、我々にとって欠かせないテクノロジーの多くが遊びの中から生まれてきたということが書いてあります。

例えば、今自分がこの原稿を書いているPCのキーボードも楽器の鍵盤の技術をベースに生まれたものだし、バベッジが原型をつくったコンピュータも当時の大道芸で人気を集めたトルコのからくり人形から、その構造のヒントを得たものだったというような話がいろいろ紹介されているんです。 

確かに、遊びから生まれた発明品は多いですね。回転寿司は日本の誇るクール・ジャパン的エンタメコンテンツだと思いますが、開発者は別に日本の飲食業界の効率性をあげようとか、日本の飲食文化を世界に広げようとか思っていたわけじゃなく、社員旅行で訪ねたビール工場で、ベルトコンベアの上を流れてくるビール瓶を見た時、ビール瓶のかわりに鮨が流れてきたら面白くない?って考えて開発に着手したというエピソードは有名ですね。

社員旅行の工場見学が開発の発端

そう、無駄なものから意外にイノベーションが生まれるんです。
遊びのために作られた三精テクノロジーの4足歩行マシンは、モビリティの世界を変えるポテンシャルを持っているかもしれませんね。

遊びが最高のラグジュアリー

遊びはイノベーションの源泉であると同時に、ラグジュアリーなものだとも思います。
なぜなら、遊びがなくても誰も死なないから。
なくてもいいものをわざわざやるってことは、最高のラグジュアリーだと思うんです。
無駄なものに意味を見出すのは、高度な思考実験であり、クリエイティブな体験です。

ハイブランドのファッションやアクセサリーも、なくてもいいモノのために、技術の粋を極めるわけだし、ヴィレッジ・ヴァンガードで売ってる雑貨も意味がないものほど最高です。

『われはロボット』などのSF作品で知られる

SF作家のアイザック・アシモフも「人間は無用な知識が増えることで快楽を感じることができる唯一の動物である」と書いています。つまり、無駄な遊びが愛でられるのは人間の特権だって言っているんです。

世の中にムダな情報はない! 星新一が訳しているのもいいね

人生100年時代を楽しく生き抜く基本スキルは無駄を愛でる心!

尊敬するぴあの創業者 矢内廣さんの座右の銘も
「最初にあそびがあった」です。


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