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欧州の日本祭り、在外邦人にチャンス広がる

スイスの大型アニメ・マンガファンイベント「Polymanga(ポリマンガ)」(今年は4月15日~18日開催予定)は先頃、フランス在住の日本人ユーチューバー「Tokyo no Jo」さんが同イベントに参加すると発表しました。欧州各地で再開されつつある日本祭りですが、今回は現地在住の日本人へのチャンスが広がっているかもしれないという見方をご紹介したいと思います。

日本国外で盛んに開催されていたアニメやマンガファンが多く集まるファンイベントや日本文化を紹介する日本イベントはコロナ禍により非常に大きなダメージを受けています。

コロナ禍1年目と2年目の差

コロナ禍1年目の2020年は、筆者の住むドイツでは最大手イベントの「Dokomi(ドコミ)」が初夏から秋に開催時期を延期して実施された以外は、オンラインによる代替イベントが行われたくらいでした。

そして2年目となった昨年2021年は、ワクチン接種の拡大などにより再開されるイベントもありました。そこで気になったのは、日本からの招待ゲストの不在です。

1年目はイベントそのものが開催されず、招待されていた日本のクリエーターやパフォーマーの皆さんも渡航を諦める以外の選択肢はありませんでした。一方で2年目は、イベントが開催されたにも関わらず日本からの参加が見送られることが増えました。そこで筆者の耳に漏れ聞こえてきたのは、日本政府の水際対策が厳格すぎるという声です。帰国時の隔離期間を考慮すると、スケジュール調整が不可能という判断が多かったようです。

ではコロナ禍2年の日本イベントでは、日本人招待ゲストはどうなっていたのでしょう?

例えば、夏にフランクフルトで開催された日本祭り「マイン祭り」(タイトル画像)で筆者は日本人が歌う演歌に聞き惚れていました。歌手の望月あかりさんは英国在住の日本人だそうです。(イベントHPのアーティスト紹介ページのスクリーンショットを以下に掲載しておきます。)

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欧州各国から広くアニメ・マンガファンを集めるドイツ最大規模かつ欧州における有力イベントのひとつ「ドコミ」では、日本人漫画家の奈樫マユミさんが招待ゲストとして参加しました。先に言っておくと筆者がお手伝いしたゲスト企画でもあります。

奈樫マユミさんはドイツ在住であると同時に日本向けに連載マンガを制作されています。日本からのイベントゲストがほぼ皆無だった2021年において、現地のマンガファンにとっても、日本人漫画家と直接交流できたのは非常に貴重な機会だったと思います。(以下の画像はプログラム冊子の該当箇所を抜粋したもの)

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さて、日本イベントやアニメファンイベントには、コロナ禍以前から現地で活動する日本人の参加自体はありました。ただ、残念ながら日本からの招待アーティストの影に隠れてしまうことも多かったように思います。それがコロナ禍2年目の昨年2021年は、現地の日本人アーティストの存在が際立っていました。

少ない事例ですが、こういった傾向は少なくとも欧州全体で見られると筆者は考えています。

コロナ禍3年目の行方。。。

では今年はどうでしょう?鍵となるのは日本政府の水際対策になりそうです。日経新聞の2月16日付のこちらの記事では、水際対策の緩和内容が紹介されています。(3月から実施するそうですが、最新情報は各人でご確認ください)

もし、日本から欧州のイベントに参加し、帰国時の隔離期間が撤廃でなくても数日までに短縮されるのであれば、国内の仕事とのスケジュール調整も可能になるかもしれません。欧州の日本イベントには今年は日本からの招待ゲストの参加もあるかもしれません。

この投稿を書いている今2月末時点では、今年のイベントに関してはすでに日本からのゲストは来ない前提で準備を進めているという話しもドイツの関係者から聞いたことがあります。であれば、水際対策の緩和を受けて今から準備をしても渡航時期は秋以降にずれ込む可能性もあります。今年も秋冬に感染が拡大するという見方もあり、先行きは依然として不透明としか言えないでしょう。また、コロナ禍だけでなく、欧州の渡航に関しては今後のウクライナ情勢も重要なファクターになりそうです。

こういった中でコロナ禍3年目の今年は、昨年に続き現地で活動する日本人アーティストを主軸としたイベント運営もあるのではと筆者は見ています。だとすれば、現地の日本人が活動する機会は今年も増えるのかもしれません。

以上、コロナ禍におけるイベントから招待される日本人ゲストについて振り返りつつ、今後を考えてみました。皆さんはどう思われますか?

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(タイトル画像:2022年夏にフランクフルトで開催された日本イベント「マイン祭り」の会場にて筆者撮影。

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