ドイツが中国と仲良くする理由

ドイツが中国に手を差し伸べる背景は「対米協調」と「欧州統合」という外交二本柱に分けて考えると理解が容易いかと思います。周知の通り、前者が難局に差し掛かっている中、後者に依存せざるを得なくなるわけですが、問題はそもそも欧州の中でもドイツは大して好かれていないという事実です。この状況は不味いゆえ、4選を果たすだろうメルケル独首相が共同債などに象徴される所得移転策や拡張財政に向けて態度を軟化させるか否かという論点にも今後は注目したいところです。

 一方、最近話題の対中協調に関しては保護貿易に対抗する対米陣地の構築と見られがちですが、もう少し違う視野も必要に思います。そういった思いが全く無いとは思いませんが、元より輸出先としては米国に次ぐ市場(2015年、香港除くベースで全体の6%程度が中国。米国が9.5%)ですから大事にしたいという思いはあるでしょう。

 いずれにせよ、対中友好も良いですが、ドイツがやるべきはまずはEU加盟国内での歓心をしっかり買うことだと思います。足場が不安定では域外外交どころではないでしょう。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO18596900X00C17A7000000/?dg=1

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