プレスリリースは文通。Minimalから考える広報戦略2.0
広報は内外へのコミュニケーション活動であると思っています。コロナ禍でECを中心としたデジタルへのシフトを急速に進めた事に起因してオウンドメディア強化を行ったことなど、内外へのコミュニケーション活動として広報戦略2.0を考えてみました。
準備:広報活動はネタ帳作りから
ブランドはたくさんのストーリーや独自物語を多く内包しています。ブランドをやっている皆様から相談を受けると、意外に当事者がその事に気づいていなかったり、整理していない事が多いなと感じます。
自ブランドの持っているリソースを俯瞰して、様々な角度からブランド情報を整理していくことは大事です。
広報を内外とのコミュニケーション活動と捉えると、そのネタとなる独自の切り口をたくさんつくって、整理しておくことはとても重要です。
切り口の数だけ、コミュニケーションできる話題の数が増えます。
切り口の数だけ、コミュニケーションできる相手の数が増えます。
例えば、Minimalは、創業から毎年順調にメディアに露出させてもらっています。創業から7年経ってもメディア露出が途切れることがない事と、毎年露出の切り口を増やしていることはとても嬉しい事です。
秘訣は常にネタの切り口を考えて、整理して、伝わる努力をしているからだと思います。
ネタを考える際にオススメな方法をいくつか紹介します。
◆所属する業界から考える
Minimalはもちろんチョコレート業界です。水準を上げて拡げて行くと、スイーツ・デザート→レストラン→飲食→食全般などなど
◆メディア別に考える
取材してもらうメディアごとに考えてみます。チョコレート、スイーツ、食、ライフスタイル、ファッションなどなど
◆事業特性から考える
自ブランドの取り巻くテーマを考えてみます。デザイン、EC、イノベーション、ソーシャル、フェアトレード、サステナビリティ、SDGs、D2C、ブランド戦略などなど
自ブランドから想起できる切り口は無限にあります。
上記のように切り口を考えて、テーマごとに整理して、自ブランドの魅力整理をしておくことは重要です。
ネタ作りが完了したところで、そのネタを使ってコミュニケーション活動をしていく際の3つのポイントをまとめました。
1:商品コンセプトはメッセージ
広報戦略上、コミュニケーションの主軸は主たるサービス・プロダクトです。
整理し用意したネタの中で、関心高く伝えたいメッセージをサービスやプロダクトを通して、世の中に伝えていくことが最も強力な広報コミュニケーションの一つです。
例えば、Minimalの2021年新商品シリーズのコンセプトはブランドとしてのメッセージを伝えるコンセプトを内包した商品設計になっています。
その商品は「おうちで本格クラフトスイーツ」シリーズとして5月~11月の7ヶ月企画となっています。
内容はおうち時間が長くなり、ECで冷凍スイーツを購買する習慣が少しずつ根付いている中で、冷凍で届けるから美味しいスイーツの開発だけにとどまらず、おうち時間をEnjoyできるように、スイーツを食べる体験を通して3つ価値を伝えたいと考えて商品設計しました。
▼価値1:食べて、おいしい
スイーツをおうちで食べて、幸せな時間を届ける
▼価値2:つくって、おいしい
スイーツ5,6種類のセットで届けて、自宅で簡単にアレンジして本格カフェスイーツをつくるというプロセスまで楽しみを届ける
▼価値3:合わせて、おいしい
ペアリングの紅茶をつけたり、スイーツ単体だけでなく何かと合わせて食べる体験と喜びを届ける
おうち時間が長くなり、社会環境が変化する中で、Minimalがスイーツを通して伝えたい、届けたい体験価値を商品コンセプトに込めました。
7月8月は「スパイス香るチョコレートシロップのおうちカフェセット」です。このセットだけでおうちで本当に簡単に、お好きなドリンクやスイーツをつくれ、本格的なカフェパーティーが楽しめます。販売は7月11日(日)開始です。オリンピック観戦やホームパーティにマスト買です(^^)
※なんと、以下写真の11種が1セットですべてできます!!
2:プレスリリースは文通
Minimalは月1回程度の頻度でプレスリリースを、お付き合いのあるメディアの方々向けとPRTimesなど外部サイトを使って打っています。
月1回のプレスリリースというのが多いのかどうかはわかりませんが、必ず月に1回以上はネタ帳の中から、新しいネタや切り口でメディアの方々とコミュニケーションをとる事を大事にしています。
広報戦略2.0の切り口として、プレスリリースを外部のメディアの方々との文通であると捉えていくということは大事だと思います。
まず何より文通と捉えると、当たり前ですが、こころを込めてメディアの人に手紙を書くという心構えを持ってプレスリリースを書くことはとても良い事です。
そして、この文通という言葉には、頻度高く続けていくという前提と、双方向性が発生するように努力する事の2つの意味を込めています。
双方向性が発生するという意味では、リリースを打って終わりでは無く、杓子定規にならない、リリース内容に付加価値をつけれる手段でコミュニケーションをとるようにしています。
例えば、ネタの切り口ごとに重点的に伝えるメディアを決めて配信したりします。新商品情報はスイーツ関連の人々に送ります。新商品の新規性やそのコンセプトがビジネス的に面白い場合はその切り口で編集でして経済メディアなどに送ります。
また、リリース後に興味を持っていただけ層な編集者やメディアの方に試食を提供するなどそれぞれのリリースごとに工夫をしています。
加えて、新商品や新サービスなど自ブランドのニュースはもちろんですが、それだけでなく、時には独自に行った消費者のアンケート調査の結果の共有など、時事ネタなどを織り交ぜながら、コミュニケーションをしています。
偉そうに語れるほどできていないですが、まずはメディアの方々とのコミュニケーションを頻度を高めていくという量のアプローチをとれるような体制にすることは大事だと思います。
次にコミュニケーションの中身を常に新しい情報や相手に有益な情報になるように高めていくという質のアプローチを工夫していきます。
広報戦略としてコミュニケーションを地道に続けていくことで、
「Minimalは常に新しい事やおしろい事をやっているブランドだ」や、
「〇〇のテーマだとこの前のMinimalの商品が面白いかも知れない」
などとポジティブに認識してもらったり、想起してもらえるように少しずつでも努力する事が大切だと思います。
きちんと書くは当たり前で、頻度高くコミニュケーションすることを基本に、相手とのキャッチボールを願いながら、文通の意識でプレスリリースを書く事を大切にしてます。
文通と考えると仮に相手から反応がないのは、こちらの書き方や情報提供の問題と捉えるという意識も、改善や工夫のTipsとしてはとても気に入ってます。
3:オウンドメディアは相性
D2Cブランドが増えた事の要因の一つは、情報の非対称性が無くなっていき、SNSを筆頭にコミュニケーションツール、伝達ツールが発達したことです。
情報に誰でも簡単にリーチできるし、情報を誰でも簡単に発信できるようになりました。
だからこそ、オウンドメディアの活用による広報戦略がとても有効になります。
こんな時代の広報戦略2.0として、オウンドメディアをお客さんや世の中とのコミュニケーションツールとして捉え、運用をがんばることはとても有益だと思います。
特にコロナ禍以後にデジタルシフトに大きく舵を切ってから、この1年くらいMinimalも特にSNSに力を入れ始めました。
SNSを中心にたくさんのツールがあるため、何をどう頑張れば良いのかを判断する事はとても難しく、Minimalも全てを有益に使えているわけでは無いですが、「とりあえずはじめてみるか」くらいのフットワークの軽さで自ブランドに適したモノ(自ブランドの顕在と潜在顧客がいそうなモノ)を探していくことは大事だと思います。
その上で、ブランドのターゲットとそのツールごとの相性は確実に存在しており、自ブランドにより相性の良いモノをきちんと判断していくことはとても重要です。
そしてツールごとの情報による使い分けを自ブランド用にカスタマイズしたり、チューニングしていくことは大事な観点です。
以下にMinimalでの情報の切り分けの大きな考え方を紹介します。
(現時点での暫定で、この後の試行錯誤で変更になる可能性もありますが)
SNSとしてはMinimalと最も相性がいいと考えています。ブランドファンづくりの機能を担い、主にブランドの世界観やプロダクトを伝える役割です。
即時性の高い情報、ライトな情報を伝えるのに適しています。その中でも、店舗情報や親しみやすさを醸成する役割です。そのため運用は店舗メンバーが行っています。
▼LINE
最新情報や販促情報を伝える役割です。店頭での登録を促す事を地道に行っているので、Minimalを体験してもらったお客さんが多い事が特徴です。▼Facebook
情報内容は他のツールと近しい役割ですが、ブランド立ち上げ初期の頃からお客さんが多い事が特徴です。
▼HPのJournal
Minimalに興味のある方々向けにディープで詳細な商品紹介、スタッフ紹介、ビジョン紹介などをする役割です。
▼note
UX解説、戦略解説(ビジネス寄り)をする事で商品や戦略の裏側を伝える役割です。
▼アンケート・インタビュー
定期的に、お客さん向けのアンケートやインタビューを行い、自ブランドの認知や立ち位置をチューニングする役割です。
自ブランドのリソースとターゲットのお客さんに合わせて、何のオウンドメディアに注力するかは決めていくことは大事だと思います。
その上で、貯めておいたネタの切り口の中からオウンドメディアごとに適正化していく事ができれば最高ですし、Minimalでも実際にそれぞれのオウンドメディアからのお客さんの導線を分析することで、そのチューニングの精度を高める努力をしています。
最後に個人的にはオウンドメディア運用はできる限り内部で行うべきだと思います。
オウンドメディアはお客さんの反応をダイレクトに頂けます。
内部で運用すれば一人一人の社員がお客さんの生の声に触れる事もでき、それがブランドの広報戦略にとっても、成長にとっても、とても大事な宝物になります。
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