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李子柒。中国の田舎生活を動画配信するvloggerが世界中で注目されているわけ

「李子柒」(li ziqi)知ってますか?

中国ウォッチャーの方々なら知ってますよね、超有名vloggerです。彼女の田園生活の動画は、中国ではもちろん大人気、さらに海外からも高く評価されていて、もはや社会現象化してきている。先週からWeiboなどで「#李子柒是不是文化输出#(李子柒現象は中国文化の世界への輸出であるかどうか)」が激論されています。

今日は彼女を紹介します。まずは彼女のWeiboから見てください↓

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フォロワー数が2109万です(2019年12月11日時点)。Weiboもそうですが他プラットフォームでも動画を配信。

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中国からとてもアクセスしづらいyoutubeでさえも747万のフォロワーがいます(2019年12月11日時点)。そしてほとんどの動画の再生回数が500万以上です。

ちなみに、CNNはYoutubeでのフォロワー数が792万で、もうすぐ抜かれますね。彼女の影響力の凄さがわかるかと思います。

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李子柒のYoutubeを見てたのですが動画へのコメントはほとんど中国語以外の言語。それだけ外国人視聴者が多いということです。(中国人はWeiboで簡単に視聴できるのに、わざわざ手間をかけてYoutubeで観ないでしょう)

彼女がアップした動画は、中国の田舎生活中心で、ほとんどセリフがないです。相当年配なおばあちゃんが時々出ますが、会話もおばあちゃんと方言で話す分かりずらい内容。しかもテロップは中国語のみで材料の説明や料理の名前くらいしかないです。

だが動画の見せ方や雰囲気、美しい世界観と彼女の生活感の伝え方が絶妙なのです。見たら間違いなく癒されるし、不思議と彼女の生活に憧れさせられます。僕の下手な説明よりもぜひ動画を見てみてください↓

作物の農作業はもちろん、収穫したものでおいしいものを作ったり、自分で竹のイスやパンを焼くための窯を作ったり、紙や醤油づくりなど、田舎での生活のさまざまなシーンが記録されました。

中国の売れ子インフルエンサーは大体自分の運営チーム(事務所と理解すればよい)を持ってます。李子柒はちょっと前にカメラマンと助手一人ずつ雇用してると公表してますが、運営し始めた2016年あたりは、しばらく何もかも全部たった一人でやってました。

ただ、あまりにもできが良かったので、競争相手から「日常の記録より番組作りだろ」といった中傷を受けて、一時的に動画更新停止になった出来事もあった。

中国ではよくある話ですが、ネットで有名になりたいからやらせとかをやる人も多いです。以前noteで紹介しましたね。

それでも、李子柒を信頼するファンがたくさんいる理由があります。(実は僕もこの辺の中国ネットユーザーの気持ちをちょっと理解できてません。個人であろうがチームであろうがコンテンツがよければそれでいいと思いますが)

中国語の中で「摆拍」という言い方があります。実際にやってるではなく、カッコだけを取り繕うこと。でも李子柒はその辺の顔だけが可愛い「摆拍」と異なるのは、アップしている動画の内容がフェイクではなく本格であること。

例えば余った食材の扱いからも、リアルというか生活の中での出来事な感じが伝わってきます。

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そして彼女のルーツも人気になった要因。かなりな苦労人です。

1990年生まれで、小さいころ両親が離婚して父と死別し、おじいさんとおばあちゃんが面倒を見ることに。おじいちゃんと一緒に大工をやって、おばあちゃんの料理や農作業の手伝いをしてました。それも貧困な田舎なので、14歳から学校をやめて都市部に行って出稼ぎをします。

皿洗いからバーのDJまでやられたそうです。でも2012年におばあちゃんの重病で地元に戻ることを決意。その後タオバオで田舎の農作物を売ろうと思って短い動画を撮影するようになったが成功できず、タオバオの店を畳みます。でも動画配信のノウハウを身につけたことで、今ではこれが立派な仕事になりました。

現在Youtubeの広告収入だけでも月にとんでもない収入を得ていると思います。

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↑ちょっと古いですが、フォロワー数がまだ500万未満の時の収入

今、そんな彼女のことを、世界中でみんながあれこれ議論しているのです。彼女が世界へ中国の文化を発信したと高く評価した人もいる、それが本当の田舎の生活とは違うと主張する人もいます。

でもそんなの関係ないよね、彼女がやりたいことをすれば良いし、僕はこれからも動画を見て応援したいと思う。

ちなみにこの議論を見てて「田舎生活のリアルはこんなんじゃないよ」の書き込みに対して「君はアメリカの空にスーパーマンが飛んでると思うの?」のツッコミがちょっとツボでした。

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(参考資料)


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