ドコモのスマホ用子機の「なぜ?」

NTTドコモがスマホと同じ電話番号で通話ができる「子機」のような携帯端末を26日に発売する。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36858300U8A021C1000000/?n_cid=NMAIL007

ここのところ似たようなスマホの発表に飽きていた私のような携帯好きにとっては、ひさびさの「変態端末」(褒め言葉)でありサプライズであった。しかしながら、LINEなどのメッセンジャーアプリが主要な連絡手段になっている人にとっては、いまいち「なぜこの端末が必要なのか」が理解しがたい。

考えられるのは、近年のスマホの大型化だ。5インチ以上が当たり前となり、ポケットに入れるのもやっと。重量も増しているため、上着のポケットに入れるとシルエットに影響を与えるくらいである。スマホ本体はカバンにいれておき、重要な通話だけはいつでもとれるようにしておくことはリーズナブルであろう。

もう1つ考えられるのは、スマホ普及率の伸びの鈍化だ。全体では約80%まできた普及率であるが、高止まりしている。年代別にみると30代までの普及率は90%ほどであるが、40代をこえるとやや伸び悩み60代でやく50%となる。約7600万回線の契約者数を誇るNTTドコモにとっては、インターネットに対応しているiモード契約者数でみても約1100万回線あまりのガラケーユーザーを抱えている。その中心となるのが、60代以上のユーザーだ。

http://www.moba-ken.jp/project/seniors/ict15.html

これまでも「ガラケー型のAndroid端末」など、従来型機種の移行がしやすいような端末を出してきた。一方でスマホに興味はあるが物理的なボタンがないと不安というユーザーもいる。このような層を取り込むために、今回のような「使い分け」を提案してきたと思われる。

個人的には、以前「2in1」という1つの携帯電話で2つの電話番号を使い分けられるサービスを提供していたNTTドコモが、1つの電話番号で2つの携帯を使い分けられるサービスを出してきたところが一番おもしろいと思った点だ。時代変われば、である。

https://www.nttdocomo.co.jp/service/2in1/index.html

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