自動車業界が今岐路に立っていることは皆さん異論の無いところでしょう。ただ、これが本当に「100年超続いたエンジンの時代の終わり」なのかどうかは見解の分かれるところであると思います。航続距離や充電にかかる時間など技術としての課題もありますし、EV化に疑問を呈する声があるのもうなづけます。

ただ、エネルギー政策の観点から考えれば、今後低炭素化の要請が高まる→(日本ではまだ高いものの)世界では太陽光・風力などの分散型電源が安価になってきており、その大量導入が進む→自然変動電源である太陽光・風力の大量導入を支える(調整役を果たす)のはしばらくは機動性の高い火力発電ですが、蓄電池が指数関数的に価格低下し機能向上すれば、分散型電源+蓄電池の組み合わせがエネルギーを支えるようになる→そうなって初めて世界が目指す低炭素かつ安価なエネルギー供給が可能になる、というのがあるべき一つのストーリーです。分散型電源と蓄電池の価格破壊が前提ですが、さらに自動運転技術などが加わって、過疎化した地域のエネルギー安定供給と移動を支えるようになってくれればと思っています。

但しこれはエネルギー・環境政策の立場からの勝手なストーリーです。EV製造はこれまでの自動車産業とは全く異なるものなので、産業構造の大変革を伴いますし、人々が移動に対してストレスを感じるような技術では普及しないでしょう。

とは言え、人口減少・脱炭素化・分散電源大量導入・デジタル化・・といった変化のうねりを良い社会変革に結び付けていくには、モビリティとエネルギーの融合が一つの解ではないかと考えています。詳しくは今月末発刊の「エネルギー産業の2050年ーUtility3.0へのゲームチェンジ」で(笑)。

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO19810670Z00C17A8MM8000/?n_cid=TPRN0001

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