ちなみに欧州委員会は08年にユーロ導入10周年記念論文という報告書を発行しており、そこで「ユーロの存在感は域内でこそ大きいがドルの代わりにはなり得ない」という見解を公表しています。当時、ユーロは第二の基軸通貨と持て囃されていたことを思うと、そのムードに流されない落ち着いた論文でありました。一時期、3割弱まで上昇した世界の外貨準備におけるユーロ比率は債務危機を経て10%ポイント弱落ち込みましたが、恐らくそろそろボトムでしょう(何故ならば現水準はレガシーカレンシー時代の各通貨の比率を合計したものと概ね等しいからです)。目先の金融政策がどうしたこうしたというテーマから離れて、こういうテーマも面白いものだと思います。

 ちなみに10周年記念論文は当時、欧州委員会に在籍していた私も執筆陣として参加させて頂きました。宜しければ以下のPDFから読めますので、ご笑覧下さい。

EMU@10 Successes and challenges after ten years of Economic and Monetary Union

http://ec.europa.eu/economy_finance/publications/pages/publication12682_en.pdf

http://jp.reuters.com/article/ecb-euro-idJPL3N1JW3FK?il=0

http://jp.reuters.com/article/ecb-euro-idJPL3N1JW3FK?il=0

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