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「おれの酒が飲めないのか」と言われたことはありますか?

「酒が飲めないなんて、人生の楽しみの半分を知らないってことだよ」

飲みの席で、取引先から言われた言葉。「そんなくだらない人生なら、おれはいらないっす」と、喉元まで出かかった言葉を飲み込んだ若手時代。今の時代ではそのような光景はかなり少なくなったとはいえ、まだまだ散見されるようですね。

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

実はわたし、完全なる下戸です。アルコール分解能力がゼロです。それどころか、注射の消毒でかぶれるくらいなので、アレルギーと言ってもいいかもしれません。残念ながら味は大好きなので、いつかなんらかのテクノロジーで解決したいとも思っています。

唐突に冒頭の話をはじめましたが、それは以下の記事を目にしたことにより昔のトラウマが蘇ってきたからです。

「急性アルコール中毒などを引き起こす『イッキ飲み』が広がったのは1980年代。それ以前から(遅れてきた人に罰として三杯続けて酒を飲ませる)『駆けつけ三杯』などの風習はあったが、実際に飲むのは一部の人に限られていた」

「ところが80年代に低アルコールのチューハイが登場し、飲酒の習慣が若者や女性に広く普及したのが大きい。テレビも深夜番組などでイッキ飲みのコーナーを放映し、85年の新語・流行語大賞には『イッキ! イッキ!』が選ばれた」

「急性アルコール中毒などで亡くなった学生の遺族らでつくる『イッキ飲み防止連絡協議会』が92年に発足し、アスクは事務局を務めている。『イッキ飲みはダメ』と訴えてきたが『早飲みはイッキではない』といった主張も出てきたので、2000年ごろから、より広いコンセプトとして『アルコールハラスメント』という和製英語をキャンペーンに使うようになった」

「早飲みはイッキではない」とかいう主張が出るところにもアルハラの闇の部分を感じますが、アルコールに限らず人になにかを強要するという行為自体がもうアウトだと思うのですよね。実際に刑事上も強要罪があり、意図的に酔い潰したとしたら傷害罪です。

昔は酒が飲めないというと、「おれも昔はそうだった。だが、飲み続けて鍛えることによって強くなるのだ!」と、謎の武勇伝を披露されることが多かったです。これ、ほぼ根拠はありません。

ここまではお酒の話をしてきましたが、別にお酒に限った話ではないのですよね。要するに「礼儀と配慮」の話であり、多様性の話でもあります。誰もが楽しく快適に生活するためには、お互いのことを知り、認め、歩み寄ることが必要だということです。

飲み会の話だけでも、脚が悪くて正座やあぐらがかけない人がいれば、お座敷ではなく椅子のお店を選んだり、甲殻類アレルギーの人がいれば「かに道楽」は避けておくなどの配慮があると思います。

タイトルにした「俺の酒が飲めないのか」というのは、わたしも言われた経験があるのですが、試しにGoogleで検索をしたら1700万件超の結果と、以下の関連ワードが出てきました。

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嘘をつかなきゃいけないくらい飲めないと言えない雰囲気が、令和の時代になっても存在するのでしょうか、、、驚きです。

ちなみに、飲めないことを英語でいうのは、超カンタンです。

I don't drink (at all).  それだけ。

「あっ、そう。OK!」という感じで、それ以上何かを言われることもないと思います。宗教的に飲まない人も多いですし、なにより個人の意志を尊重する文化がそうさせているのでしょう。でもこれは欧米の話であって、中国や韓国やベトナムなどのアジア諸国の場合、日本に近い文化があると思います(乾杯では飲み干さないといけない等々)。

1年の労をねぎらい、親睦も深まる機会となる忘年会。全員が楽しく来年を迎えられるよう、全員に配慮できるようになりたいものですね!

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タイトル画像提供:Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)

#COMEMO #NIKKEI

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