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様変わりする就活 〜就社から就職へ〜

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。いよいよ5月も終わろうとしていますが、6月1日は学生にとって一つの節目です。

この日は経団連が定める企業の「選考解禁日」。現行ルール適用は今年で最後となります。これからは職務や勤務地などが限定されない「メンバーシップ型」の新卒一括採用から、職務などを明確にし個々人のキャリアを磨いていく「ジョブ型」の通年採用も広がっていく見込みです。

横並びの一括採用と年功序列に象徴される日本型の雇用慣行が大きく変わる転機にもなり得る。経団連と大学側は22日午前の産学協議会で報告書をまとめ、通年採用を進める方針を示した。

協議会終了後、経団連の中西宏明会長は記者団に「採用に全くルールがないのは困るが、多様性が非常に重要だ。企業は従業員を一生雇い続ける保証書を持っているわけではない」と強調した。大学側代表である就職問題懇談会の山口宏樹座長(埼玉大学長)は「多様な採用形態をどう大学教育と結びつけるか、最適解を(経済界と)一緒に見つける」と話した。

報告書には「新卒一括採用に加え、(専門スキルを持つ人材や留学生などを通年採用する)ジョブ型雇用を念頭に置いた採用も含め、複線的で多様な採用形態に秩序をもって移行すべきだ」と明記。春の新卒一括採用への偏重を見直す。

まさに大きな過渡期にある就職活動。最新事情はどうなっているのでしょうか?

令和時代、大学生・大学院生の就職活動が大きく様変わりしそうです。経団連と大学が新卒の学生の通年採用を広げる方針を決めたためです。就活は一段と前倒しになる可能性があります。また「卒業要件の厳格化」など学生生活も大きく変わる可能性があります。採用選考にAI(人工知能)が使われ始めるなど、技術革新も続いています。最近の動きや就活、大学生活に関係する記事を集めました。

中でも「大学の学部の種類がこの50年で8倍以上にもなっている」というのは知りませんでした。具体的には「1966年、学部の種類はわずか63しかありませんでしたが、2018年には526と急増しています。学科は学部よりも細分化され、3000を超えています。」とあるように、実は企業側の動きに呼応するように、大学側もジョブ型採用を念頭においた専門性を打ち出しているということでしょう。

このような動きの背景として、技術革新や顧客のニーズの変化が非常に早いサイクルになってきていることがあげられます。

メンバーシップ型では終身雇用を前提に、社員に階層別研修を受けさせたり、様々な職場を経験させたりしながら、その会社で必要な能力を向上させてきた。しかし、これからは通用しづらくなるという。理由の一つは「技術進歩や顧客ニーズの変化に応じたビジネスが広がっている」ことだ。

変化に合わせて企業も業態を変えていかなければ生き残れない。そうなると、社員に求められる能力も変わってくる。その会社でしか通用しない能力をいくら身に付けても、業態が変わって会社そのものが生まれ変わったら、その社員は行き場がなくなってしまう。

一方、ジョブ型で専門能力を深めていれば、その会社に職がなくなっても別の会社に移って活躍できる。「今後は個人がどこでも働けるようにスキルを磨く『キャリア自立』が求められる」。また、企業にとっても、スキルを持つ人材の市場ができ、必要な人材を即戦力として採用できることは競争力につながるだろう。

ここで重要なキーワードが「キャリア自立」です。これまでは会社に命ぜられるがまま、ローテーションによる職務変更や転勤による勤務地の変更などにより社内キャリアを積んできました。つまり、キャリア育成は会社が考えることであって、自身が特に意識する必要がなかったとも言えます。

これからは「自分がどのようなスキルの伸ばすのか」「どういう働き方を選択するのか」などといったことを客観的に把握し、その時々によって選択していく必要があります。

ジョブ型雇用が一般化している欧米ではどのようにしているのか。その答えは、世界で6億3千万以上の社会人が利用している「LinkedIn」(リンクトイン)にありました。

アメリカの大学の就活センターでの相談やセミナーでは、LinedInのアカウントを持っていることが前提ということが多いそうです。ビジネスの世界でLinkedInのアカウントを持っていない=ビジネスの世界で存在していないとみなされることもあるようです。住民票や戸籍が存在していないようなものと例える方もいました。

「キャリア自立」をするには、その情報を溜めておく場所が必要。それが、LinkedInというわけです。日本語版も年々使いやすくなってきており、ミーティングの前に経歴をチェックしたり、名刺をもらったあとで検索してつながったりと、みなさん様々な活用をしています。「検索しても出てこない」というのはそれだけ機会を逃しているし、もったいないことだなと思います。

令和時代のキャリア自立への第一歩として、自分のキャリアを振り返って記してみるのはいかがでしょうか?

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タイトル画像提供:Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)


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