大会後「周遊」はスポーツ幸福度も上げる
「スポーツツーリズム」という言葉は知られている。が、どれだけのスポーツ・イベントで、十分に成果を出せているだろうか?
スポーツ大会は参加者が集まるだけでは儲からない
イベントごとの個性によるが、参加者数が十分に集まったとしても、周辺への波及効果はそれほどない、という事例が多いように思う。大会だけが目的になると、最小限の前泊で、食事も競技優先で(だとエネルギー補給食系を持ち込んでメイン食事にするなど)、終われば即帰宅して翌日の仕事に備え、と地元にあまりお金が回らない。
僕は、過去30以上くらいの遠征(主にトライアスロン)をしてきたが、こういう参加者は多い。とくに、休暇取得したくない=宿泊数を最小限に、という大会参加者が日本人の大多数な気がする。
大会そのものは普通は赤字。東京マラソン級の注目とTV中継があれば企業スポンサーが補填してくれるが、そうではない多くの大会では、地元自治体が補填している。(参考:23年日経、20年note ↓)
とはいえ流行だし、「ヨソでもやっています」と会議で言えるし、「ヨソでやっててウチではできんのか?」など言われるし、他のアイデアもない、という中で、目指さざるを得ないのがスポーツツーリズムだろう。
今はその流れがあっても、改革派の市長さんが当選して、「税金分の効果はあるのか?」となっていく大会はこれから増えていく気もする。
延泊しよう!お金を回そう!
どうすればいいのか?
大会主催者側の努力だけでは、たぶん、足りない。
大会参加者が、一人ひとり、お金を地元に回していきたい。
お金を回す、とは、義務的な寄付のような意味ではない。
参加者自身の幸福度を高めることが、第一の目的だ。
たとえば先週末の、新潟・村上トライアスロン。ラン&ゴール地点の城下町エリアでは、伝統の「町家の屏風まつり」が重なっている。
レース後は1日でも延泊すれば、ゆっくり見ることができるだろう。村上なら、大会名にもなっている「笹川流れ」エリアのサイクリングもおすすめ。桑川のバイク折り返しの先、北側に、奇岩が続いていて楽しい。
僕はトライアスロン・デビューした2010年、村上大会に初参加した。もともとそのつもりはなかったけど、年間ランキングの上の方にきたので、急遽追加したのだった。一回きりの遊び、というくらいの感覚で、せっかく新潟駅まで行ったのだから、と大会後に新潟&佐渡旅行を入れた。
トライアスロンなので、自転車の扱いが面倒なのだが、移動手段にできれば行動範囲が広がる。余計なものは送る。佐渡ではたしか二泊して、間の1日でその自転車を使って、佐渡一周183kmサイクリングができた。
観光効果は「周遊化」がカギ
佐渡観光振興、周遊化がカギに 政投銀ビッグデータ分析
との記事が9/30に出ている。
島内での宿泊数は平均1.6泊。団体客は定番スポットが確立している一方、個人客は分散傾向。半分以上は一泊で有名なところを見て即帰っているんだろう。
あちこちを「周遊」することで、経済効果がひろがる。佐渡はデカいので、とりあえず泊まっとくか、というテキトーな延泊に向く。そう訪問者に思わせることが大事ではないかな?
この点、電動スポーツ自転車は良いと思う。佐渡の自転車1周は、まあまあ鍛えた自転車乗りでないと厳しい。意外と坂が多く、日本海を吹き抜ける向かい風もキツい。この点、電動アシストがあれば、まあまあ乗っているレベルでもかなり行ける。(レンタルがあるかどうかは知りません)
島を1周すれば190kmとか(佐渡トライアスロンのAタイプのバイク)、南半分の半周+島の中央を横断すれば100km(同Bタイプ)、ただ南よりは北半分の方が圧倒的おすすめ。日本海の北側を見渡せる北側が圧倒的に楽しい。
僕が2010年に走ったルートは183km、これが佐渡トライアスロンか、すごいな、このあとマラソン42kmなんてマジわけわからん?Vacaなのか?とその時は思っていたのだが、3年後には、
このように、笑
トップ画像は2019年村上大会の朝。日本海の朝焼けは、日本海でしか見られないもの。海の上に浮かぶのは、朝陽に反射する満月。
10/1、日経電子版オピニオン掲載されましたー