戦う市場を組み合わせてズラすという発想

戦う市場を組み合わせてズラすという発想

今日は「市場選定」をテーマに書いていきます。

マーケティングの基本フレームワークにSTP分析というものがあります。

STPの基本的な考え方に関しては下記のnoteにまとめています。

簡単に整理すると、下記の通りとなります。

Sセグメンテーション:市場を分ける
Tターゲティング:アプローチする市場・ターゲットを決める
Pポジショニング:決めた顧客層からの想起ポジションを決める

マーケティングの実務の中でも、セグメンテーション→ターゲティングのプロセスは、自分たちの戦略を規定するものであれ、重要度が高い領域です。

重要度が高いが故に、本当に今のターゲット選定であっているのか?と迷うことも多いのではないでしょうか?

市場の選び方のポイントについて整理していきます。

市場・ターゲット選定を教科書通りに行うと行き詰まる

市場選定をする上では、こちらの6Rが代表的な考え方として存在します。
ターゲット設定は6Rを意識する.001

この6Rは活用したいところですが、市場規模が大きく、成長性が高いような「美味しい」市場を選ぶと、謂わゆるレッドオーシャンです。

競合も皆んな狙っている市場です。

戦う市場をズラしてみること

市場選定の考え方として、「組み合わせてズラす」という視点が重要ではないかと最近感じています。

先日に値上げ戦略の好事例としてご紹介したガリガリくんを例に考えていきます。

ガリガリくんの市場選定の視点がとてもユニークです。

―どのようにソーダにたどり着いたのですか。
 他の業界にも目を向け、永遠の命を持ち、日本人のDNAに息づく味があるはずと探したところ、アイス業界より桁違いに(市場規模が)大きい飲料業界にあることに気付きました。それがラムネやサイダーでした。

ガリガリくんといえば、ソーダ味というイメージがあり、ソーダアイスのブランド想起を確立している印象があります。(明確な調査結果はわからず印象です)

図解するとこのように整理することができます。

ガリガリくんの市場をズラすという発想.001

ガリガリくんは、市場選定が上手であり、もしかしたらソーダー味で認知獲得していなかったら国民的アイスとしてポジションを築くことも難しかったかもしれません。

市場選定をする際に、だれもが認識している市場カテゴリーで戦うことは、差別化することが難しくなります。

そんな時に、「戦う市場を組み合わせてズラすという発想」が重要になります。

iPhoneも市場を組み合わしてズラしている

iPhoneも「携帯電話×音楽プレイヤー」という「戦う市場を組み合わせてズラすという発想」からはじまっています。

スティーブ・ジョブズが市場選定という発想をもっていかたはわかりません。

ジョブズの発想は、プロダクトに徹底的にこだわることからスタートすることで有名だったので。

ただ、自分たち独自の市場カテゴリーで価値を発揮することを考えていたのではないでしょうか?

ラテラル・マーケティングという考え方

上記のような考え方は、コトラー先生も本で紹介されているので、ご興味ある方はこちらをご参考にして頂ければと思います。

ラテラル・マーケティングと呼ばれており、下記のような新しい市場を見つけ出す思考が紹介されています。

ラテラル・マーケティングとは?
・既存の情報を再構成して、個から全体へと向かう方法。
・既存製品に抜本的な変更を加える。
・STPによる市場断片化の問題を克服できる。
ラテラル・マーケティング3ステップ
1.水平移動の対象となるフォーカスを選択する
2.水平移動により、ギャップを生み出す、刺激を誘発する
3.ギャップを埋める方法を考える、連結する
ラテラル・マーケティング ギャップを生み出す6つの技法
①代用する
②逆転する
③結合する
④強調する
⑤除去する
⑥並べ替える

これからのフレームワークは、別途ご紹介できればと思います。

まとめ

市場選定をする際は下記の視点を抑えると良いと考えています。

・市場規模が大きくて成長性が高い領域で真っ向勝負しない
・組み合わせてズラすという発想で、独自の市場カテゴリーを生む
・その定義した市場で第一想起を獲得する

どれだけ広告に投資をして、認知を築こうとしても、自分たちの強みを活かしやすい市場選定ができていなかったら

時には、STPの一番最初、セグメンテーションに立ち戻ってカテゴリーを再定義してみましょう。

本日の日報は以上です。