だれでも見やすいプレゼン資料の作り方
こんにちは、電脳コラムニストの村上です。
最近は筋トレネタばかり書いていたので、友人からは「電脳じゃなくて脳筋じゃないか!」というツッコミを受けました。今日はビジネスネタにしようと思います。お題は「プレゼン資料」です。
COMEMOを読んでいるビジネスパーソンのみなさまは、日々さまざまな資料作成をしていることでしょう。ワードであったり、パワーポイントであったりツールもいろいろあります。はじめはアニメーションなどの「うまく魅せるテクニック」に凝る人が多いですが、次第に「結局は内容だよな」となりシンプルなものに収斂していくでしょう。
しかしながら、わかりやすい資料というのは存在します。それは一体どういうものなのでしょうか?
私は、ビジネスパーソンが作る資料というのは「一人歩きする」資料であるべきだと考えています。「一人歩きする」資料とは、自分の説明がなくても、誰にでも理解される資料のことです。説明が必要な資料だと、関係者に説明してまわることに時間が費やされていきますが、「一人歩きする」資料を作れば、自分の説明が不要なので資料説明の時間が節約され、より多くの人を巻き込むことが可能になります。
(1章 図解とグラフで人を動かす 7ページ)
特にプレゼン資料はその用途から「トークで補足すればわかるはず」という甘えが出やすいものです。たしかに資料をシンプルにすればするほどトークの重要性が増しますが、どちらかというと講演向きのやり方でしょう。社内資料であれば「説明がなくても理解できること」が必須だと思います。
講演の場合はそれをきっかけに次のビジネスにつなげるたり、他では得られない学びを提供するという目的のため、ここでいう資料とは求められるものが異なります。記憶に残すための「キャッチーなフレーズ」や、あえて重要な部分を投影資料では隠し(XX %の売上増!など)口頭で強調することでメモを取るよう促す(人はメモをとると記憶に残りやすいため)などのテクニックを駆使します。
では、「見やすいプレゼン資料」はどうやってつくればよいのでしょう? 最近「すごい!」と思ったノウハウが、以下にあります。
資料をつくるということは 「伝えたいこと」がある ということです。 あたりまえですが……
伝わった 伝わらなかった 「伝えたいことが、きちんと伝わる」 これが、パワーポイント資料が満たすべき最低条件だといえます。
少し考えて…… やっとわかった しかし、相手が理解するのに時間がかかってしまうようでは 「みやすい」資料とはいえません。
パワーポイントにおける「みやすい」の定義は、誰が見ても、 作成者の意図通りに「正しく、はやく」伝わることにほかなりません。 「みやすい」とは 「わかりやすい」ということ
(スライド内P11〜14より筆者編)
一方で、GAFAのようなグローバル企業ではどうでしょうか?
「会議では必ず、出席者の1人が6ページのメモを準備する。主題、文章、動詞がしっかりと使われた物語のような構成になっている。箇条書きだけのメモではない。議論のための、コンテキスト(文脈)を作り出すためのメモだ」と説明した。
そして出席者全員が、座って静かにメモを読む。たっぷり30分かかることも珍しくない。それから、メモについて議論を始める。
これはアマゾンに限った話ではなく、わたしの勤務しているシリコンバレー企業でも同様の文化があります。
特に経営会議レベルになると「narrative(物語)」形式での1-pager(A4一枚)と詳細(これも概ね4〜5ページ)を用意することが求められ、会議の冒頭ではpre-readと呼ぶ「熟読タイム」が設けられます。その間は発表者も黙っており、補足説明をすることはできません。その後、質問から議論がスタートします。このため、発表者はこのnarrativeの執筆に精魂を込め、1字1句どの単語を使うべきかまで慎重に検討をし、推敲を重ねます。関係するチームメンバーにも精読してもらい、伝わりにくい箇所のフィードバックを受けて質を高める努力をします。
日本企業のように現場が資料作成したものをさっと発表するようなことはしません(というか、できません)。なぜなら、相当細かいレベルでの質問が飛んでくるため、自身の言葉で書き下していないと答えられないから。ですので、VP(執行役員)レベルであっても、自らの手でnarrativeを起こします。むしろ、このような役職の人ほど高い文章スキルを持っていることが多いです。
物語のフレーム・ロジックがしっかりしていれば、パワーポイントや他の形式にしても伝わる資料になるでしょう。ぜひみなさんもこの「narrative」の作成にトライしてみてくださいね!
※ NHKの番組企画書も、A4一枚の物語だそうです。びっくりですね。
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タイトル画像提供:kou / PIXTA(ピクスタ)