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プレゼンテーションで、わかりやすくでなく、抑えるべきポイントの優先順位を念頭に伝える理由〜競馬解説アナウンサーから教えてもらった極意と共に〜

  実は、2021年で独立・開業して10年目を迎えました。これも皆様の支えとご縁があってこそです。こうして、何とかご飯を食べられることに感謝です。いつもありがとうございます。今回は、最近ご質問を受けることが多い、自分自身がプレゼンテーションで心掛けていることを伝えていきます。記事にもあるように、オンラインだからこそ阿吽の呼吸ありできないプレゼン能力が求められているようです。もちろん、今回記載する内容が自分への自戒も込めて書いています。



なぜ、仕事でプレゼンが多いのか?

 独立開業としてエコノミストとして、主に3種類の仕事をしています。それは、①放送業務を中心とした経済解説、②専門のコーポレート・ファイナンスの研究実績を活かした、社外取締役などの企業アドバイザー、③コーポレート・ファイナンスの知見をブラッシュアップさせるための大学院での研究、と三足の草鞋を履いた生活です。
 全ての仕事で、プレゼンテーションを行う必要があるのですが、特に①はプレゼンの重要性が響きます。まだまだプレゼン技術が未熟な私ですが、番組クルーの皆様、出演者の皆様にご指導頂き、様々な番組に出演機会を頂いてきました。本当に有難いことです。そこでは、プレゼンの超プロの方々から、技術や心構えを、ご教授頂くことがあるのです。今も心に響いている、3つの考え方を記載します。

 
①上手く喋ろうとするな!

 独立してまもない頃に、あるニュース番組のナレーションを担当している方(ビジネスパーソンなら多くの人が聞いたことのある声の持ち主)と話をする機会を頂きました。その際「君はコメンテーターだ。まず伝えたいと思うことを伝えることに専念すべき。うまく伝えようなんて気持ちは持たない方がいい。技術云々は後の話。情熱が入ってない内容は、すぐに見透かされる」と、指導を受けました。これは、当たり前のように聞こえるけど、超プロが言うからこそ響いた言葉です。プレゼンってのは、中身も情熱や熱意って見透かされますしね…
 中身をブラッシュアップさせるために、独立後に社会人大学院に進学したわけですが、まだまだな私です。

②全部伝えようとするな!これだけは、伝えて終えたいと思うところ!

 ラジオのお仕事を初めてする際に、競馬解説でレジェンド的なアナウンサーの方にご教授頂く機会がありました。どうしようもない自分に対してご指導してくださったことは、今も感謝してもし尽くせません。
 その際に言われたのは、「伝えたいことを山盛りに入れ込んでも伝わらないし。そうではなく、一箇所だけ、これだけは伝えたいという箇所を作ること。または一箇所だけでも自信を持って話をできる所を作っておくこと。そうすれば、そうした箇所があることで、自然と緊張も緩和して聞きやすくなるよ」という言葉です。
 私も含め、人の話に対して高い集中力を維持しようとするのは、体力を使うもの。この言葉を聞いたときに、聴き手への思いやりと、短時間で全てを伝えられるという驕りは捨てるべきと考えるようになりました。もちろん、まだまだな私です…。

③この世に、わかりやすい事象なんてない!

 わかりやすく伝えるとは何かと、ある経済学者の方とお話しした時の気付きについて記載します。企業経営、株式市場、インセンティブ設計、環境問題、ガバナンス…社会で起きている事象の因果関係は、ほぼ全て複雑怪奇です。そうでなければ、こんなに世の中に研究機関は存在しません。とんでもない数の変数が複雑に絡み合って、目の前の事象が起きているのだから…。
その複雑さを丸めて、歪めてまでわかりやすく伝えるというのはナンセンス。だからこそ、解説対象になる事象を、プレゼンターが勝手に丸めてわかりやすく理解してもらおうとするのではなく、「どのように複雑な事象なのか」と、「この事象を更に知る際に、まずはこれだけは抑えると解読しやすいだろううポイント」とを伝えることに専念してます。
もちろん、意識はしていても技法が伴わず、反省することばかりです。


と、ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
今回は私のプレゼン意識を変化させてくれた、偉人達の言葉を紹介しました!

応援、いつもありがとうございます!

崔真淑(さいますみ)


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崔 真淑/エコノミスト『投資1年目のための経済・政治ニュースが面白いほどわかる本』(大和書房)
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