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アフターコロナの生活様式と海洋プラスチックごみ問題の接点

新型コロナの世界的なパンデミックは、世界中の人々の生活スタイルを変えることになった。外食を控えてテイクアウトやデリバリーを利用が急増したのは具体例だが、その背後では、大量に廃棄されるゴミの問題が浮上してきている。

東京23区のごみ処理施設を管理運営する東京二十三区清掃一部事務組合(東京・千代田)によると、2月24日~5月3日の10週間の家庭ごみ(可燃)回収量は約33万7千トンで、前年同期に比べて4.9%増えた。担当者は「家庭ごみがここまで増えることは珍しく、外出自粛で家庭で過ごす人が多くなったためだろう」と話す。日経新聞2020/5/13

家庭ごみの中でも厄介なのが、ペットボトルやテイクアウトの使い捨て容器で使われる、プラスチックごみの存在である。プラスチックやビニール、発泡スチロールなどの使い捨て容器は、プラスチックゴミとして処分されるが、その一部が不当投棄されて、海に流出する「海洋プラスチック」による自然破壊は、世界的な問題として取り上げられるようになっている。

日本の消費者は、使い捨て容器を「プラごみ」として分別すれば、誰かがリサイクルしてくれると思っているが、現実はそれほど簡単な話ではない。

日本、米国、欧州などで収集された廃プラスチックは、中国や東南アジア諸国に輸出されてリサイクルされるルートになっている。しかし、中国やアジア国内でも経済発展によるゴミの収集量が急増していることから、リサイクルの処理能力を超すようになり、その一部が不当投棄されて海に流出しているのだ。そのため、中国政府は2018年1月から廃プラスチックの輸入を禁止している。

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世界全体では、年間に約1200万トンものプラスチックゴミが陸から海に流出しているが、ペットボトル1本を自然界で分解するには450年もの長い年月がかかる。 このままでは、2050年までに海洋プラゴミの総重量が、魚の量を超えるという予測もあり、生態系に与える影響も大きく、やがては人間の食糧不足としても跳ね返ってくることが、各所の海洋研究機関から報告されている。

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今後は、中国や東南アジアに処分を任せるのではなく、世界各国が自国内で廃プラスチックを減らしていくことが必要になる。具体的な取り組みとして、フランス政府は、使い捨てプラスチック食器(ボックス容器、コップ、皿、サラダボウル、アイスクリームカップなど)の販売を、2020年から2021年にかけて全面的に禁止する。

また、飲料用のペットボトルについては、廃プラスチック問題の象徴的な商品として扱われ始めており、販売禁止とする場所が世界的に増えている。米サンフランシスコ市では、公立施設内でペットボトル飲料の販売を全面的に禁止している他、2019年8月からは、サンフランシスコ国際空港でも、売店や自販機でペットボトル入りの飲料水を販売することが禁止されている。

他の国でも、使い捨てプラスチック製品として、レジ袋、食品容器、ストロー、スプーン、フォーク、ナイフなどの製造・販売・使用を禁止する法制化は、急速に進み始めている。日本も例外ではないが、プラ容器が使えなくなることは、コンビニ、スーパー、ファーストフード店などにとっては大打撃となり、早急に代替策を講じていく必要がある。

新型コロナによって、これからの生活様式が変わっていくことは間違いないが、現在のテイクアウトサービスのようにプラ容器を毎回使い捨てていくようなスタイルは、店側にとってもコストの負担が大きいし、消費者も家庭で処分するゴミが増えるだけで、得策とはいえない。長期的に生活スタイルを変えていく中では、環境にも優くて持続可能性の高いサービスの形態を考えていく必要がありそうだ。

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