メルカリ主催のイベントに学ぶ「ファンを魅了し心を動かすコンテンツ作りの秘訣」
イベントで心が動いたことはありますか?
日々、様々なイベントに参加しているのですが、最近参加したメルカリ主催のイベントで心が動く感覚を覚える機会がありました。私が参加したのは、「名前のわからないもの展」と「超推し活展」の2つのイベントでした。今回は心が動くイベントの特徴について考察したいと思います。
「名前のわからないもの展」
最初に参加したのは今年8月にメルカリ主催で開催された「名前のわからないもの展」です。
どんなイベント?
メルカリ社の公式サイトでは「名前のわからないもの展」について下記のように紹介されています。
誰もが目にしたり手にしたりしたことがあるにも関わらず、名前がわからないものってありますよね。お弁当についている魚の形状をしたしょうゆ入れや、食パンなどの袋を止めるプラスチックのフック?みたいなものなどなど。そうしたアイテムを100点集めて展示していました。
「名前のわからないもの展」開催の狙い
日経の記事の中にも記載がありますが、主催のメルカリの担当者によると、イベント開催の狙いとしては下記2点があるようです。
新規顧客獲得
「メルカリは使ったことがない人にとっては、何を売っているのか分からない。こうしたイベントで『こんなものも売ってるんだ』と思ってもらいたい」とし、新規顧客の獲得を狙いとして挙げた。純粋に名称を覚えてもらう
名称の認知度が低い商品は、出品者からすると売れにくく、購入希望者からしても購入しにくい、という課題を解決する狙いもあるという。
「名前のわからないもの展」に参加してみて
まず会場の入り口からワクワク感がありました。短冊的なすだれ?がたくさんあり、その一つ一つに見覚えのないキーワードが書かれているのです。そうです、まさに「名前のわからないもの展」を象徴する「名前のわからないもの」の「名前」が入り口で入場者を出迎えていました。入り口からイベントのコンセプトを体感することで、イベントへの期待と共に没入感が一気に高まりました。
そして、会場内に入るとそこに広がっていたのは「名前がわからないもの」の数々!
あぁーこれなんて言うんだっけ!?!?
というものが、所狭しとたくさん並んでいるのです。買ったばかりの靴下についている留め具(ソクパス)とか、将棋盤の裏の凹み("血だまり"って言うんですって)、魚の形の醤油入れ(ランチャーム)などなど。
会場を進んでいくごとに「おぉ!こういう名前なんだ!」という驚きが続いていきました。
日頃生活している中で特に気にせずに見たり使ったりしている「もの」の名前を知るという今までに無かった新しい体験は、とても面白く、つい人に伝えたくなるものでした。
「超推し活展」
続いて9月に参加したのが同じくメルカリ主催で開催された「超推し活展」です。
どんなイベント?
メルカリ社の公式サイトでは「超推し活展」について下記のように紹介されています。
イベント会場には1970年代の昭和から2020年代の令和まで、年ごとに世の中で流行ったアニメやアイドルなど多くの人が熱狂したカルチャーに関する品々が1000点も展示されていました。また、実際にスーパーファミコンやゲームボーイを実機で遊ぶことができるコーナーがあったり、昭和のアイドル親衛隊や平成のアイドルヲタのコスプレをして記念写真が撮れるブースもありました。
「超推し活展」開催の狙い
こちらのイベントも日経で記事掲載されていましたが、2つの狙いがあったようです。
拡大する推し活需要の取り込み
フリマアプリの出品に中古のエンタメ商品が豊富な点をアピールし、拡大する推し活需要を取り込む。メルカリの良さを知ってもらう
「展示会を通じて、時代を超えて推しの(アイドルやキャラクターの)商品を売り買いできるメルカリの良さを知ってほしい」
「超推し活展」に参加してみて
会場に入ると入り口から1970年代に始まり、進むにつれて1年ごとにその年に流行ったアイドルやアニメなどのカルチャーシーンを彩ったアイテムが並んでいるのです。
1年ごとに展示されているので進んでいくと自分の生まれ年の展示も出てきます。そうすると否応なしにテンションが上がります。私の生まれた年はTVアニメ「銀河鉄道999」の放送が開始された年であり、機動戦士ガンダムが放送開始の翌年でした。これまで意識したことがなかったので、驚きと嬉しさを感じました。参加者の皆さんも自分の生まれ年の前で写真を撮ったりして盛り上がっていました。
また、スーパーファミコンがブラウン管のテレビで遊べたり初代ゲームボーイで実際に遊べるコーナーもあり、小学生の時にスーファミやゲームボーイで遊んでいた私はドンピシャ世代であり、久々のブラウン管の画質も味わいつつ、心が動きまくっていました。
そして更に、「超推し活展」ならではコーナーもありました。それは「昭和の親衛隊や平成のアイドルヲタのコスプレをして記念写真が撮れるブース」です。絶妙なコスプレグッズが数多くあり、ついつい手に取ってしまいます。仲間とイベントに参加していると、このコーナーでも大いに盛り上がるのです。
参加する誰しもが自分の育ってきた時代を感じることができ、"自分ごと"として参加できる仕掛けが随所にある心が動くイベントでした。
心を動かす要素とは
私が参加したメルカリの2つのイベントは心が動く素晴らしいイベントでした。ではなぜ心が動いたのでしょうか。私がイベントで感じたことから下記3つのポイントが要素としてあると考えました。
1.サービスへの愛
まず感じたのはイベント主催者であるメルカリというサービスへの愛でした。
「名前のわからないもの展」はメルカリのユーザーからの「メルカリにはあるはずなんだけど名前がわからない物がある」という声がイベント立案のきっかけだったと言います。そして「超推し活展」は「展示会を通じて、時代を超えて推しの(アイドルやキャラクターの)商品を売り買いできるメルカリの良さを知ってほしい」という思いで開催されました。
なんでも売っているメルカリの良さを伝え、もっと多くの人にサービスを伝えていきたいという思いの強さが、イベントの細部に宿り、面白さがより感じられるイベントになっていたのだと思います。
2.多世代が楽しめる
どちらのイベントも特徴として、世代を問わず楽しめる内容になっていました。
「名前がわからないもの展」では「これなんていうんだっけ??」という参加者の好奇心と探求心をくすぐり、参加者の皆さんがくまなく会場に並べられている「もの」を見ながら「おぉ!」「こんな名前がついていたとは!」と盛り上がっていました。この「これなんて言うんだっけ?」という気持ちは世代に関係なくあるものです。そして「超推し活展」では、昭和から令和までの誰もが見聞き・体験してきたカルチャーを扱うことで、幅広い年代の参加者が楽しむことができました。
普段あまり意識していないことに焦点を当てることで、参加者の感情に訴えたり、内側にある探求心を刺激し、より深い満足感を提供していました。
3."自分ごと"になる
「超推し活展」では、年代ごとのカルチャーや自分の生まれ年に関連する展示物を通じて、参加者は懐かしさや自分がこれまで歩んできた人生の思い出とのつながりを感じます。その結果、イベントで歩みを進めていくほどに会場の展示物、空間を"自分ごと"として捉え、共感を生み出していたのです。
また実際に自分が昔使っていたゲーム機で遊べたり、コスプレをして写真撮影ができるなど、体験型のコンテンツを提供することで、参加者の参加意欲と楽しさを高めています。
まとめ
心が動くイベントには、主催者のサービスへの深い愛情、多世代が楽しめる内容、そして参加者自身が"自分ごと"として感じられる工夫が必要だと改めて感じました。メルカリが主催した「名前のわからないもの展」と「超推し活展」は、これらの要素を見事に取り入れ、多くの人々の心を動かすことに成功していました。当然ビジネスとして他にも様々な狙いがあったのだと思います。しかし、私が感じたように多くの人の心を動かすことによって、イベントは多くの人に伝えられ、そしてメルカリのファンが確実に増えたのではないでしょうか。
そしてこれからも、こうした心に響くイベントが増えていくことで、私たちの日常に新たな体験や感動が生まれることを期待しています。
イベントのご案内
10月30日に今回取り上げた「名前のわからないもの展」「超推し活展」を含むメルカリのイベント施策などを推進している株式会社メルカリ Social & Contentsチーム マネージャーの池田 早紀さんをゲストにお迎えし、「差がつくコンテンツマーケティング:ファンを引きつけるポイント」というテーマでPeatix主催のPeatix Marketing Terraceというオンラインイベントを生配信します。よろしければ是非ご参加ください!
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