ローカルビジネスのマーケティングについて考えたこと-デジタルマーケティングの一般論ではわからないこと-
今日は、ローカルビジネスにおけるマーケティングという、いつもとは違うテーマで書いていきます。
自分は、今まで、大阪、名古屋周辺の中小企業やフランチャイズで地域に店舗をもたれているクライアントと仕事をしてきました。
その時に感じたのが、ローカルのマーケティングはデジタルマーケティングの一般論では通用しない!ということ。
もう一度、ローカル経済、ローカルビジネスにおけるマーケティングの可能性を考えていきたいと動いているところなので、最近考えていることをまとめてみました。
前段は、グローバル経済とローカル経済についてから。
最近2冊の本を同時並行で読んでいます。
頭の中でグローバルとローカルの市場の動きを比較しています。
ローカル経済圏=Lの世界 VS グローバル経済圏=Gの世界
ローカル経済圏(略称Lの世界)とは、グローバル経済圏(Gの世界)との対比で使われている表現です。
Lの世界=ローカル経済圏⇔Gの世界=グローバル経済圏
Gの世界とLの世界という言葉は、冨山さんが提唱してる対比構造です。
下記の資料にわかりやすく説明されています。
まち・ひと・しごと創生に関する有識者懇談会
Gの世界とLの世界:経済特性、産業構造が大きく異なる2つの経済圏の存在
Gの世界
世間で注目されるのは、Google、Apple、Facebook、Amazonなど、グローバル経済圏で大きな市場シェアを獲得している組織です。
いわゆるGの世界ですね。
こんな成長率、目指せと言われても現実的ではないですよね。。
日本の中小企業が、いきないFacebookを目指そう、Googleを目指そう、プラットフォームになろう!と言っても難しいのは当然です。
無理に戦う必要はないと思います。
ローカルにはローカルにあったやり方がある!
では、どんな考え方で事業をつくり、マーケティングを行っていく必要があるのでしょうか?
ローカル経済圏におけるマーケティングの可能性について考えていきたいと思います。
Lの世界=ローカル経済圏の可能性とは
そもそもLの世界とは何を指していて、どんな可能性があるのかを説明していきます。
業種=地域に密着したサービスを提供している企業
- 交通(鉄道、バス、タクシー)
・物流 - 飲食・宿泊
・対面小売
・卸売 - 社会福祉サービス(医療、介護、保育等)
雇用の側面
- 空洞化が起きにくく、長期的に増加傾向(約80%の世界)
- 労働集約型(平均的技能の人材が中心、低賃金)
- ジョブ型雇用中心で流動性が高い
日本のGDPと雇用のおよそ七割を占めるのは、製造業ではなくサービス産業だ。しかも、サービス産業の大半は、世界で勝負するようなグローバル企業ではなく、国内各地域内の小さなマーケットで勝負するローカル企業が大半だ。本編でまた詳しくふれるが、サービス産業の多くは、経済構造的にローカル企業がローカルに活動する構造から、あまり大きくは変化しない。だとすれば、これからの日本の経済成長は、ローカル経済圏のサービス産業の労働生産性とその相関変数である賃金が大きく左右すると考えていい。
引用元:なぜローカル経済から日本は蘇るのか?
ローカルにはローカルのやり方があるのでは?
マーケティングの世界でも、グローバルレベルで成功している企業の事例や、GoogleやFacebookの動きばかりに注目が集まりがちです。
日本に関しては、高齢化、人口減少、マーケット縮小・・・とネガティブな報道が多いです。
しかし、日本の産業を支えているのはローカル経済圏のサービス産業である現実があります。
最近感じているのは、ローカルには、ローカルにあったマーケティング戦略があるのではないか?ということです。
デジタルマーケティングの最先端、アメリカの最新事例・・・
どれも奇麗に見えますが、ローカル経済圏は違う市場の論理があると思うのです。
仮説:グローバルの一般常識はローカルにそのまま適応できるわけではない
ローカルビジネスで、新しい取り組みをしている企業、人たちはたくさん出てきています。
こういう企業を増やすことができれば、魅力的なローカル経済圏をつくるこができるのだろうなと思っています。
ローカルマーケティングのヒントをもらえる事例
では、ローカル経済圏に適応したマーケティングを実践している企業を分析していきます。
今回は2つの事例を。
①わざわざ:個の発信力(ストーリーの力)で地域外の人を巻き込む
②地元カンパニー:地域の人に情報を届けるためのアナログチャネル
①個の発信力(ストーリーの力)で地域外の人を巻き込む
以前にマーケティングトレースを実施した「わざわざ」
わざわざが素晴らしいところは、
・立地に頼らない。
・顧客体験+コンテンツを極める→認知拡大→地域外の人にも愛されている
この2つです。
コンテンツを極めると、魅力的なローカルビジネスはつくれることを教えてくれる事例です。
ローカルマーケティングにおけるポイント「コンテンツ」
地域密着型の仕事をしている人こそ、コンテンツ×SNSの力を最大限活用できると良いと思うし、わざわざから学ぶことがたくさんあると思っています。
②地域の人に情報を届けるためのアナログチャネル
地元カンパニー児玉さんの記事。
児玉さんのnoteは、これ以外にも、ローカルビジネスの可能性を考えさせてくれる記事を発信してくれているのでおすすめです!
地域の人に愛される企業、ブランドをつくるためには、当然地域の人に知ってもらうことが大切です。
知ってもらうためには、デジタルマーケティングの一般論では通用しない部分もあると思うのです。
例えば、リスティング広告、SNS活用だけでは足りません。
ローカルマーケティングにおけるポイント
アナログとデジタルはバランス良く組み合わせる
アナログの力はまだ捨てたものではない。
当然スマホシフトは進んでいますが、アナログでしかリーチできない層は確実に存在している。
これはユニクロがチラシに大きな予算を割き、柳井社長自らがデザインチェックに入っていることからも重要性がわかると思います。
デジタルマーケティング領域では、位置情報を活用したターゲティングの精度は上がってきていますが、エリアを詳細に絞りすぎるとクリック単価高騰→費用対効果があいにくいという現状です。
また、広告投資予算が限られている中小企業は高精度のジオターゲティングは使えない。
ローカルビジネスでは、チラシをマーケティング施策のポートフォリオに組み込み、成果最大化を狙っていくべきだと自分は考えています。
その他にローカルビジネスでやっておくべきこと
①検索マーケットで「カテゴリー名×地域名」の掛け合わせキーワードを抑える
=地域内の検索ニーズには応える
②地域内の口コミには徹底的にこだわる
=ローカル経済圏で嫌われ者にならない
上記2点の対策を大前提として行っておく必要はあると考えています。
ローカルマーケティングのまとめ
地域の人口は確実に減っています。
これは受け入れるしかありません。
ただ、人口減少時代だから、絶対にグローバルに出る必要があるのか、違うビジネスモデルに切り替える必要があるのか?と言われると違うと思っています。
今ある組織資源、地域資源を有効活用すれば、G=グローバルの世界で戦うための基盤をつくることもできるのではないかと自分は考えています。
ローカルビジネスのマーケティング施策ポイント整理
①ローカルビジネスこそストーリーの力を最大限活用する
↓
②地域外の人も呼び込む
↓
③アナログの力を活用して地域の人に情報を届ける
④地域内の認知を最大化する施策は全て行う
これからも、「ローカルマーケティング」をキーワードに、ローカル経済圏の可能性を引き出すための可能性を探っていきたと思います。
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最後まで読んで頂きありがとうございました!