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週休3日制の導入はリスキリングに繋がるのか?

こんにちは。日経COMEMOのKOLをしております、大林と申します。
普段は複業マッチングプラットフォーム「複業クラウド」を運営する株式会社Another worksの代表をしております。

最近、週休3日制の導入が大きな話題を呼んでいます。

記事によれば、パナソニックホールディングス(HD)では約5000人を対象に週休3日制の試験導入を行うとのこと。同社は「休日を増やすことで副業や学習、地域ボランティアなど会社外の取り組みを推奨し、社員が働きやすい環境をつくる狙いがある」といいます。

近年、諸外国に比べた日本での働き方改革の遅れが大きな課題となり、これまで、残業時間の削減や産休や育休の充実など企業それぞれ様々な取り組みを推進してきました。週休3日制の導入背景も、生産性向上、離職防止、介護や育児などのライフイベントへの対応など様々あるでしょう。

週休3日制 導入目的の例
・働き方改革
・リスキリング・学び直しの促進
・介護や育児など様々なライフイベントに対応できる
・複業(副業)促進
・生産性向上
・離職防止

リスキリング需要の高まり

そんな中、今回、私が注目したのは、週休3日制によるリスキリング・学び直しへの期待です。企業は、従業員のスキルアップやキャリアアップを目的に、リスキリングを促進。本業での生産性向上、質の向上へつなげてほしい狙いがあります。

しかし、週休3日制を導入したらリスキリングが促進するという保証は全くありません。プレミアムフライデーなどの施策も目的は様々あれど可処分時間の増加と共にリスキリングの機会最大化に繋がったでしょうか?

アフターファイブが早くなる、だといつまで経ってもリスキリングには繋がりません。「人は時間ができたからといって、自ら学ぶようになるわけではない」というのは本当にその通りだと思います。
また、「週の労働時間と自己学習の関係において、週の労働時間が多くなるにつれて自ら学ぶ人は増えていることから、学習行動の引き金は仕事にある」といいます…
一体何が正解かのか分からなくなりますよね。。

「この先も仕事をしていくうえで、いまの自分のスキル(技能)では行き詰まりを感じている」「管理職になってみて、人材育成のスキルが欠かせないと痛感した」「異業種の人から刺激を受け、視野を広げたい」――。どの人も日々の仕事をするなかで、自分の課題は何かをつかみ、打開しようとしている様子が見て取れる。

週休3日で人は学ぶか? 日本型組織の改革不可避に より引用

私が思うのは、リスキリングのトリガーは仕事での原体験であるということ。原体験と可処分時間の掛け合わせこそリスキリングの機会最大化に繋がると思っています。そこで、「複業」という新しいリスキリングの選択肢を提唱したいと思っています。

なぜ複業なのか

前提として、今回ご紹介する複業とは、ダブルワークを意味する複業です。主に金銭報酬だけを目的に行う副業とは異なり、「複業」は、金銭報酬だけでなく、実際の業務を通じた経験報酬・キャリア報酬や、貢献や恩返しを通じた感情報酬を得ることを目的としています。例えば、本業とは異なる職種で経験をしたい人、新しいことへチャレンジしたい人、スキルアップをしたい人、など、様々です。。

では、なぜ複業がリスキリングの選択肢となるのでしょうか?

複業の特色は2つあります。

まず、複業環境を変えずとも挑戦できる点です。

リスキリングにおいて、本業があることが前提です。

週休3日制が導入された企業においても、週4日は本業での勤務があります。よって、他企業でのフルタイム勤務の難しさや居住地をはじめとした場所の制限など、様々な環境要因で挑戦を諦めざるを得ないでしょう。

しかし、複業であれば可能です。複業は、いつでもどこでも、どんなタイミングでもできることが特徴です。自由な時間設定やオンラインでの勤務が可能となり、本業を持ちつつ、リスキリングを実現することができます

次に、現場での生の経験が積める点です。

スキルアップ、キャリアアップを目的としたリスキリングの場合、本やスクールでのインプットだけではなく、実業務を通じたリアルなインプット/アウトプットが欠かせません。

例えば、本業とは異なる新しい職種に挑戦する際、本を通じたインプットだけでは、実際にどんなアクションを起こし、自分には何ができるのか、そしてその職種にどうやりがいを感じるのかなどを知ることはできません。つまり、複業での業務を行う過程でしか得られない経験報酬があるのです。

また、働くことやキャリアなど将来への漠然とした不安、課題意識があるが何をすればいいのかわからない、これらの課題に向き合う際も、複業を通じた生の経験が1つの材料となるでしょう。

さらに、複業だからこそ関わることのできる機会があります。

例えば、地方自治体での複業です。記事によると、神奈川県小田原市では、副業で事業コーディネーターを募集し、民間の柔軟な発想や優れた知見を取り入れ課題解決を進めていくといいます。

また、茨城県行方市では、「働き方改革課」を設け、職員の定時退庁や年次休暇の取得促進、業務量調査などについて、民間人材と共に進めていくといいます。

地方自治体は、たとえ関わりたい想いがあったとしても、関わることが難しい分野のひとつでしょう。複業(副業)という日本のfuture of workだからこそ、行政・自治体での経験機会を得ることができます。

このように、週休3日制など様々な働き方改革が進行する中、空いた時間をどう活用し、自身のキャリアへ活かすのかを問い続けることが重要です。今後も複業という観点を通じて、発信し続けます。


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