アイデアに執着するべからず! 早く動き早く失敗することが成功への近道
こんにちは、電脳コラムニストの村上です。
スタートアップという言葉が広まり、起業を志す方も増えてきました。なにか事業を立ち上げようとしている方から相談を受けることも多いのですが、一番多いのが「アイデアが浮かばない」「もやっとした課題感はあるのだけれど、それが事業になるのかわからない」といったことです。
私が客員教員をしている武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(EMC)は、学生に起業家マインドセットを教育するという野心的な試みをしています。受け持っている授業は1年次の必修である「インターネットビジネス基礎」というもので、前半はネットビジネスの歴史や種類やそれぞれのビジネスモデルの特徴などを学び、後半はグループワーク中心で実際にビジネスアイデアを考えて磨き込み、最終日にピッチ大会をするという流れです。
そもそもビジネスとは?というところからのスタートですが、アイデアを事業に落とし込む段階でどのチームも苦労をします。社会課題を解決したいという学生も多いのですが、やはりビジネスに仕立てるのに苦労をしています。また、そもそもアイデアが浮かばないというものあります。といっても、これは学生のみならず、多くの人に共通する悩みでしょう。
アイデアを出すための手法・フレームワークは、世の中にたくさんあります。ブレインストーミングであったり、Google Venturesがスタートアップ支援のために活用している「デザインスプリント」の中のアイディエーションフェーズで用いられる「Crazy 8's」などです。
私もこれまでの仕事の中で活用していましたが、短期間でたくさんのアイデアを出すことができました。そのためにはチームメンバーの多様性も重要です。やはり似た者同士だと不思議と似たようなアイデアが出てきがちですが、バックグラウンドが違うほど自分では思いつかないようなアイデアを目にすることがあります。
このデザインスプリントは、発散と収束を各フェーズで繰り返すのが特徴です。アイディエーションの前のフェーズでは「課題の探索・抽出・定義」を行っています。ここでしっかりと課題が定義されていないと、アイディエーションが迷走することも多いです。
アイデアを絞り込む際にはグループで議論することも大事ですが、たくさん出たアイデアを全員で共有することで「AxB=C」というような掛け算の新アイデアが生まれたり、Bをちょっと変えて…みたいなことも出てきます。
また、とあるアイデアを極端にしてみるというのもクレイジーアイデアに繋がります。大きさを100倍にしたら?逆にすごく小さくしたら?チームの人数を10倍にしたら?逆に1人でやれとしたら?等々です。もし予算が100倍だったら?なども面白いでしょう。
一方で、どんなに優れたアイデアであっても、アイデアそのものにはあまり価値がありません(ここまでアイデアの話をしておきながら、、、ですが)。すごいアイデアを思いついたとしても、世界は広いのできっと同じことを考えている人が必ず2〜3人はいるでしょう。プロダクトが世に出るまでは、社会的なインパクトはゼロです。そのためにはいかに早く世に出すか、が重要です。大企業 vs スタートアップでときにジャイアントキリングが起きるのは、まさにスピードの差です。試行錯誤を高速で実施して磨き込むこと、そして成長産業に身を置くことが、成功への近道でしょう。
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タイトル画像提供:emma / PIXTA(ピクスタ)
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